海外をめざした理由とこれから挑戦する方へのアドバイス
パートナーの仕事の関係で住むことになったのが、バリ島との縁でした。神々の島と形容されるこの土地は、「バリフリーク」という言葉があるほど人気があり、住みたいと願う日本人女性は後を絶ちません。
バリ島の醸し出す独特の空気と人々の優しさ、おおらかさは、日本での日常に疲れた心と身体に心地よい癒しを与えてくれるのか、半移住や結婚・長期滞在など様々な形でどんどん在住者が増えているようです。
単に「住む」だけなら、決意さえすればできます。しかし現実には、ビザの問題など多くのハードルが待ち構えています。就職に関しては、そもそも労働市場自体が圧倒的に買い手有利です。
世界的な観光地ですから旅行会社やホテルなど日本人スタッフを募集するところは少なくありませんが、待遇の差は、そのまま本人の経験や実力が反映しますし、「日常会話程度のインドネシア語」「少々の社会人経験」で、良い仕事を得られるような甘い場所ではないことをまず認識する必要があると思います。
でもパートナーや家族、友達を大切にする、細かいことは気にしない、鮮やかな感性、正直な生き方などは、日本人も大いに学ぶところがあります。この国に暮らしていると大らかさや前向きな気持ちが自然と身に付くようです。
また、外国で生活する以上、「自分は外国人である」と常に自覚することも大事ではないでしょうか。宗教・文化・生活習慣・家族観・仕事観など、日本で常識として培ってきたそれとは大きく異なる環境のなかで「日本」を振りかざしても、それは身勝手な勘違いです。
自分たちはこの地に居させてもらうのだという謙虚な心を持ち、何事においても、その気持ちをベースに行動していくことが、外国で生きていくうえでの1つの姿勢ではないかと考えます。
言うは易し……ですが。 |