海外をめざした理由とこれから挑戦する方へのアドバイス
シリコンバレーで暮らし始めてから、通算20年になり、誰と働いていても付き合っていても、「外国人」という意識を持たなくなりました。 自分の周りを見回すと、普段付き合っている人達は、日本人に加えてインド人、中国人、韓国人、ベトナム人、イギリス人、ドイツ人など様々。更に、それぞれのエスニックグループ系のアメリカ人が多いのが事実です。従って、誰が誰に対して「外国人」という意識をもつか、個人によって全く異なると言えます。
日本人として海外に出て行くにあたり、使える英語を鍛えておくことは勿論大事ですが、特に、英語で日本のことを説明できるようにしておくことが大切だと思います。そして、気持ちをオープンに持ち、あらゆる国籍、民族の人達と、交流することを目標にされると良いでしょう。そういう人が増えれば増えるほど、世の中がより一層平和になって行くのではないでしょうか。
↑筆者自宅(庭側) 広い庭とプールは定番
私の住んでいるMenlo Park市は、サンフランシスコ・ベイエリアのほぼ真ん中、まさしくMid-Penninsulaと呼ばれ、スタンフォード大学にも数分、テクノロジーと起業家のメッカ、シリコンバレーにあります。 UCバークレー大学まで約40分、サンフランシスコやサンホセのダウンタウンまで約35分と、ビジネスや教育環境に恵まれています。
↑筆者自宅(玄関側)
不動産価格はそれをはっきりと反映しており、Menlo Parkとその隣接地域であるAtherton, Palo Alto, Woodside, Portola Valley は、全米でも屈指の不動産価格(ひいては物価全般)の高い場所と言えます。 5月12日付けのForbs誌によると、全米の不動産価格No.1は、まさしくAthertonでした。これは、高級住宅地として知られるビバリーヒルズ(7位)よりも高く、シリコンバレーが全米の中でもっとも物価の高い地域になっていることを表していると言えましょう。
アメリカ合衆国/カリフォルニア州 ジェンクス・金田 厚子さん
カリフォルニアの教育費
つい最近、News Week でアメリカの公立高校トップ100校という記事が出て、話題になりましたが、残念ながら、カリフォルニアの公立高校は、上位ランクに上ってこないことで有名です。 学校全体のテストの平均値を主な基準としたランクの付け方の正当性そのものを疑問視する人も多い中、公立高校での教育に対する危機感を持つ人も少なくありません。 一方で、トップクラスの優れた子どもたちの学びの意欲と多岐に渡る才能には、目を見張るものがあり、優れた子どもたちに与えられる機会の豊富なこと、「出る釘はどんどん出させて伸ばしていこう」という社会と教育のあり方に、シリコンバレーらしいエネルギーと前向きな姿勢を感じます。
ちなみに、私立の中学校、高校の学費は、年間約250万円から、270万円くらいまでに達しており、特に複数の子どものいる家庭にとっては、家計の重荷になっています。 その上、私立校では、寄付金の援助などもすることが当たり前のことになっているので、中流家庭にとっては、かなりの負担と言えましょう。 そのような経済的な負担が、潜在能力の高い生徒の教育にとって障害にならないよう、ほとんどの私立校は優れた学生に対する奨学金を設けており、いわゆるsocio-economic diversity を健全なレベルに保とうという努力を常に重ねています。
↑地元の公立高校
どこの学校の資料をみても、diversity という言葉が、人種、民族の多様性だけでなく、社会経済的なdiversity という意味でも使われて、学校にそうした多様性が存在することを強調していることに気がつきます。
2.イギリス/ロンドン