海外をめざした理由とこれから挑戦する方へのアドバイス
私が海外に住むきっかけとなったのは、夫の海外転勤です。昔から海外旅行が趣味で、海外生活への憧れはありましたが、まさか自分が海外生活を送るとは夢にも思っていませんでした。転勤の話を聞いたとき、びっくりすると同時に「憧れの海外生活ができる」と嬉しくも思いました。
しかし、実際には、短期間での住居探しや海外引越しという、非常に煩雑で大変な出来事が待っていて生活を始める前にかなり消耗した上、習慣の違う外国での暮らしはストレスが多く大変でした。平気で不良品を販売していて何度も不良品を買ってしまったり、うるさい、汚いなどマイナス面が目に付いてしまったり。
でも、外国で日本と同じように暮らそうというのがそもそもの間違いで、マイナス面ばかり探していては自分が辛いだけだと気づきました。トイレの水が流れなくても、約束の時刻に修理が来なくても、ここはそういうところなのだと受け入れて、いいところを見つけるようにすると楽しく暮らせると思います。
香港では、家事や子育てを外国人家政婦(アマ)に任せて、共働きをするのが一般的です。女性が非常に強く、子どものいない共働き世帯では、料理などの家事は男性の仕事ということも多いようです。仕事の面でも男女差別はなく、実力次第なので、女性にとって働きやすい国といえると思います。
↑知人の部屋からみた眺め。眼下に広がるマンション群がいかにも香港らしい(?)風景。
香港は、狭い土地に人口が集中しており、土地の高い国です。住居費は東京よりも高く、香港人カップルは高い住居費と教育費のために共働きしているといっても過言ではありません。 日本人の多くが住むような物件では、単身者用で1ヶ月1万HKドル以上(約14万円)、ファミリー向けだと2万HKドル(約28万円)〜といった具合です。
↑知人マンションのプレイルーム。香港では、マンション住人専用の子供用遊び場(プレイルーム)やプール(屋内外)、その他ジム等の設備が充実しているマンションが多い。
高額な家賃でも、部屋の広さは日本に比べて狭く、例えば3LDKの物件(1,127sqf=約32坪、3万HKドル=約42万円)の場合、小さな部屋2つと主寝室、LD、コンパクトなキッチン、バストイレ一体型のバスルームが2つと、1つ1つの部屋のスペースがかなり狭くなっています。 香港の場合、日本の一般的な賃貸物件のようにビル1棟全部を同じ所有者が貸し出すのではなく、部屋ごとにオーナーが異なり、オーナーによって貸し出し価格も変わってきます。 内装もオーナーの好みで自由にできるため、同じマンション内であっても、全く違う部屋、賃料も部屋によって全然違う、ということになります。築年数に関わらず、便利な立地で高層階、海側の部屋の家賃が高い傾向にあるようです。
公立と私立でこんなに違う!香港の出産事情
香港には、政府が管轄する公立病院と、私立の病院や個人クリニックがあります。 一般に、公立病院は費用は安いが待ち時間が長く英語か広東語のみ、私立病院や個人クリニックは、費用は高いが予約制で待ち時間も少なく、場合によっては日本語の通訳もあり言葉の面で安心、という違いがあります。 妊婦検診、出産も、公立病院を選ぶか私立病院を選ぶかで大きく費用に差が出ます。
公立病院の場合、香港居住者IDカード所持者に限り、産前検査は基本的に無料で受けられます。ただし、初診時は3〜4時間、普段でも1時間位は待つようです。 その後の検査は、時には病院ではなく地域ごとにある健康院(日本の保健所のようなもの)で受ける場合もあります。 出産は、香港では麻酔を行うのが一般的で、約3日の入院で退院となります。部屋のグレードにもよりますが、公立病院での出産の場合、2泊3日の入院で麻酔費用や食事等全てを含めて500HKドル(約7,000円)でおつりが来たという人もいました。 私立病院の場合、検診ごとに胎児の超音波写真をくれたりビデオ撮影をしてくれたりと日本の産婦人科と変わらぬサービスをするところもありますが、それは全て費用がかかり、ドクターフィー、検査代、薬代等で1回ごとに500HKドル(7,000円)〜1,000HKドル(1万4千円)、時には3,000HKドル(4万2千円)以上かかります。 出産は、やはり麻酔を行い2泊3日の入院が一般的で、部屋のグレードにもよりますが、出産だけで3万HKドル(42万円)から10万HKドル(140万円)以上かかります。中には日本円で200万円程も支払ったという知人もいました。 私立病院の場合、同じ治療をしても部屋のグレードによって治療費が異なり、同じ薬を使っても薬代も異なります。当然、個室を希望する人が一番高い治療費を支払うことになります。
↑映画「慕情」のロケ地となったマチルダ国際病院。最高のサービスを受けられるが、お値段も最高クラス。ここの入院食はリッツ・カ-ルトンホテルと同じとのこと。
どちらを選んでも医療技術に差はなく、公立病院の経済性を優先するか、言葉の面で不安がなく、私立病院のホテルのようなゴージャスさ(私立の場合、食事もホテルのルームサービス並み)をとるか、本人と家族次第ということでしょうか。
2.イギリス/ロンドン