【第2回】 |
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イギリス/ロンドン |
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ロンドン在住3年。メディア・リサーチの仕事をしながら経済史の博士号取得に奮闘中です |
ロンドンの住居価格は英国平均の1.6倍
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↑不動産の価格高騰でマイホームを持つのは難しい状況。日本のマンションのような狭い「フラット」に住む人が多い |
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↑日本人向けの不動産屋。駐在員など、日本人の多いアクトンやフィンチレー地区にあり、日本語を話すスタッフがいます |
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東京と同じく、ロンドンでマイホームを持つのは近年の不動産の高騰もあって、ますます難しくなってきています。特に初めて住居を購入する若者は、ロンドンを選択肢に入れない場合が多いようです。
生活の拠点を構える場所は、各個人がどこにクオリティー・オブ・ライフ(QOL)を見い出せるかにあるようです(ちなみにロンドンは一人住まいが40%近くを占めています)。驚くことに、街中ではスペインの太陽と比較的安い土地を求めるイギリス人を対象に、スペインの不動産フェアの宣伝も見かける始末です。しかし、大抵は狭くても交通の便がよいフラット(中高層住宅で1戸分が1〜3階式にできている日本のマンションのようなもの)にするか、より静かな環境で交通の便の悪い地に住居をおくかに悩まされるようです。 |
ロンドンで生活するのに問題となるのは、公共交通機関が時間に正確ではないことと、市内に車でアクセスする際に、「Congestion
Charge」(コンジェション チャージ)という税金がかかることです。降雨のために駅が閉鎖されたり、鉄道が止まったりすることは日常茶飯事で、勤務、通学にたびたび影響します。
ちなみにロンドンの住居の平均価格は22万8625ポンド。英国平均の14万624ポンドのおよそ1.6倍です。フラットを含め、イギリスのマイホーム保有率は69%と、ヨーロッパの中では少ないほうです。 |
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↑プリムローズヒル地域に住んでいた頃のフラットです。3階のフラット(2LDK)を2人でシェアしていました |
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ロンドンに住む20代、30代シングルの多くは、フラットをルームシェアしています。1ベッドルーム延床面積およそ20平方メートル、トイレ・バス・キッチン・リビングをシェアして、一人あたり1カ月500ポンド前後です。 |
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イギリス/ロンドン 梅村真希さん |
無料の公共医療と高級私立医療の格差が問題化 |
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↑ラッシュ・アワーのホルボーン駅付近。人とクルマが溢れています |
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イギリスの医療はNHS
(National Health Service)のもと、日本と同じく国民健康保険制度がしかれています。この制度の長所は、歯科・眼科は少額ながら有料ですが、それ以外のほとんどの医療サービスを国民が無料で受けることができるところです。処方薬は一律6.40ポンドで購入できます。 |
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短所は医療サービスの質が十分でないこと、専門医にかかるまでの待ち時間が長いこと、施設の老朽化、医療スタッフの人員不足などです。一般医に紹介され、専門医に診察してもらうまで数週間待つことはもちろん、緊急事態でない限りは数カ月待たされることも少なくありません。 |
手術は無料ですが、数カ月の待ち時間のため、体調は悪化しかねません。そのためか、イギリスには公共医療とともに私立医療が両立しており、中流階級以上の人々は、しばしばプライベートの医療保険に加入し、よりよい医療サービスを求めるようになっています。経済的に恵まれている人々がお金を払い、より質の高い医療を購入するのは自然なことかもしれません。ただ、優秀な医師や設備がプライベート医療に流れる傾向にあり、海外から医師・看護師をまかなっているNHSの状態は、しばしば議論されています。 |
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↑家の近所のお店です。商品はすべて税込価格で表示されています |
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■価格定点調査
消費税率 |
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タクシー初乗り料金 |
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最近食べたランチ代金 |
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映画鑑賞料金 |
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1人あたりGDP |
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外国為替レート |
円・英国ポンド 196.47327
(10月13日13時現在) |
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■その他
住宅ローン金利 |
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起業最低資本金 |
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VAT(Value-Added
Tax) |
EU全域に課せられており、消費税と似ている。消費税は最終商品にのみに課せられる国々が多いが、VATは最終商品およびすべての取引において(中間材にも)課せられる。一般的に日本、アメリカの消費税率よりはるかに高い。 |
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ガソリン小売価格 |
1ガロン2ドル超(レギュラー・昨年の約2割増)
※1ガロン=3.785リットル |
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2004年10月現在
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