わたしがよく講演などで言っているのは、「単純に考えてください」ということなんです。カラダは油を貯えることができるが、水は放出してしまう。油はカラダに蓄積できる。ビタミンでも脂溶性はカラダに貯蔵されるんですね。今おっしゃったように、ビタミンAとかEとかKとか。特にビタミンAなどは、妊婦さんが過剰摂取すると奇形児が生まれるんじゃないかと言われており、そういう危険性を秘めているんです。
そこで、わたしが勧めているのは、1週間の食事を記録することです。1週間というのは、長い目で見るとみなさんの3カ月、4カ月と実はあまり変わりません。それを分析すると、明らかに脂溶性のビタミンが多いとか、これはサプリメントで取らなくていいというのがわかります。たとえば、ビタミンAが食事で十分取れている人がマルチビタミンを取ったとすると、ビタミンA過剰症になるんですね。
一度、とにかく食事を記録して分析してみる。分析は、そのためのソフトも出回ってますし、栄養士の方に見てもらってもいいんです。それで、五大栄養素の足りないもの過剰なものを確認し、基礎をつくる。
たとえば、ダイエットのためにカプサイシンを取る人がいますよね。カプサイシンはアドレナリンを上手に出して、熱量を増やそうとする「機能性」成分なんですが、熱量を増やすためにはビタミンB1やB2が働いていたりする。それらが不足していたら、十分にカプサイシンも機能を発揮できない。パフォーマンスが落ちる。だから、基盤となる五大栄養素をとった上で、自分に必要な機能性成分を選ぶというのが、一番賢い選び方なんです。