ホーム > 佐々木かをり対談 win-win > 第89回 財津 和夫さん

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財津 和夫さん
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どんな風に作曲をするかというと
- 佐々木
作曲のことも、お尋ねしたいんです。以前、「どうしてそんなに曲がたくさん書けるんですか」って聞いたら、財津さんが、「だってみんな会話をしてるでしょ。言葉は、文字の量が決まっているのに、みんな毎日違っていることを言っているでしょ。僕は、音がそういうふうに自然に出てくるので、曲はいくらでも作れるんだ」って。
- 財津
かっこいい(笑)。本当にそんな、かっこよく言いました?
- 佐々木
はい(笑)。それで私は、すごいなあって驚いて、それ以上何の質問もできなくて。
- 財津
それはちょっと待って。きわめてプライベートな言い方で言ったんですよね。
- 佐々木
そうですか?
- 財津
そうですよ。オフィシャルなところで、そんなかっこいいこと言えませんよ。佐々木さんしか聞いていないから言おう、っていうことでしょう? 出てくるんですよ、って。嘘だよ。
- 佐々木
毎日誰もが喋っているように、僕はメロディーが出てくる、って言ってました。
- 財津
それはちょっと……消去します。
- 佐々木
消去ですか(笑)。
- 財津
消去。変更。
- 佐々木
変更? じゃあ、作曲ってどういう風にされるんですか。
- 財津
うーん。まあ、あの、子どもの頃から一杯聞いているじゃないですか。いろいろな曲を。で、そういうものの蓄積が、何かのときに、財津というフィルターを通して、ちょっと違った形で、プロデューサー、取引先とかの要求によって、ちょっと形を変えて出てくるんじゃないですかね。
- 佐々木
それは、ピアノで作曲されるんですか?
- 財津
それは曲しだいで。
- 佐々木
曲によってリクエストによって作曲する楽器も考えて。
- 財津
そうですね。ちょっとアップテンポでロックな感じのような曲っていうと、やっぱりピアノとかじゃなくて、ギターで作ったほうが。ギター特有のフレーズっていうか、あるんですよね。ピアノは動けませんけれど、ギターは同じ音でも、指がぐっと動けば、変わりますよね。調が変わっていく。だから独特の音っていうか、楽曲の響きが違うんで、ギターアンサンブルはギターでやっぱり作らないと。
- 佐々木
それは集中して、その曲を作ろうってお部屋かスタジオかに入って作られるっていうことですよね。
- 財津
それはそうですよね。
- 佐々木
急に歩いているときに、ふっとメロディーが浮かぶ、ということじゃないんですね。
- 財津
そういうシューベルトのようなことはないですね。
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