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Clay Chandlerさん
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優秀な記事を書けばいいけれど
- 佐々木
アメリカの記者は1本書くといくら、なんですか? 月給じゃないの?
- チャンドラー
いや、それは、要するに交渉なんですね。ある意味で、どう言えばいいのかなあ。
- 佐々木
スポーツ選手みたいな?
- チャンドラー
そう。MBAみたいな制度で。だから、僕が例えば、ビッグネーム・スターであれば、編集長は僕を逃がしたくないじゃないですか。「ああ、あいつ、逃げちゃだめだ」と。給料をあげないと困るんだ、と。ですからまあ、こんなこと言えばおかしいかもしれないけれど、ほかの、そのライバルのメジャーによって、僕の価値が決まる面もあるかもしれない。
当然、僕が優秀な記事を書けば、それなりのボーナス、ベースアップみたいなものがあるんですが、でも、フォーチュンは非常に小さい雑誌なんですよ。編集スタッフの数、というか、規模が。ワシントン・ポストだとね、記者だけでね、400人、500人近いですかね。まあ、まだ朝日新聞ほどじゃないですが。アメリカにしてはかなり大きいですよね。
たぶん、フォーチュンはその10分の1。ですから、非常に小さな社会なんですよね。だからそのへんは、ある程度、日本的な、何というかな、平等で、お互いに仕事をしている仲間、という意識を持って、やっていると思うんですよね。たとえば、「あいつがあんなにお金をもらっているのに、何もしてないじゃないですか」っていう噂がはじまると困るんですよ。
- 佐々木
そうか。
- チャンドラー
そう。何かみんなに他者を出し抜くことは、したくないという気持ちが、毎日、毎日あるんですよね。
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