組織の不条理もわかっての人事

佐々木

人事というのは、その企業のステージによって課題も違うし、人によっても違うから、企業ごと同じようにはいかないでしょう。相手が人間なので、案件によってすごく違うだろうし、コンサルタントの力量だって問われるのでは。A社でうまくいっても、B社に行って同じにやったら怒られた、ってことだって、きっとあると思うんですよね。

柴田

おっしゃるとおりです。ですから、今まで新卒の採用ってしてきてないんですよ。いわゆる新卒っていうと、実社会の経験がないので、本とかレクチャーとかで静的な情報を受けているわけですよね。だから、頭はすごくいいんですけど、世の中って……。

佐々木

いわゆる、机上の空論……。

柴田

そうなんです。「それはもっともだけど、でもね」っていうことって、世の中に満ちあふれてるじゃないですか。だから、組織の不条理のようなことを体験している人じゃないと、なかなか厳しい。

佐々木

ああ、なるほど。新卒だと、どうしても飲み込めないとか、包容力がない。

柴田

ええ。ただまあ、来年くらいからは、ちょっと奇特な新卒を何人か採用して、虎の穴のようなことをしてやっていこうかなとは思っていますけれど（笑）。