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関根千佳さん
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パソコン画面を点字で読む
- 佐々木
パソコンの画面表示を点字で画面を読む、っていうのはどういうものですか?
- 関根
点字ピンディスプレイというのですが、画面の一行分指でさわれる点字のディスプレイっていうのが存在してるんですね。
- 佐々木
あ、テレビで見たことがあります。ウェブの文字が変換されて手元のディスプレイに点字が流れてでてくる、というものですね。
- 関根
そう。それを触るんですよ。で、短いのは20文字くらいからあるんですけど、浅川さんのようにプログラミングする人は、80文字っていう結構長いのをガーッて指で読むんですよ。
また聴覚障害の方に対しては、パソコンをお使いになる上ではあまり問題はないんですが、たとえば音で何かビープ音が出てたりして、それが何か大事なことで鳴っているような時には、画面に「音が出てるよ」っていう印を出すような仕組みの作り方ですね。
それから、肢体不自由の方に関しては、それぞれ不自由なことが違いますので、その人に合わせた入力機器を工夫します。一般のものの改良などもします。
- 佐々木
関根さんは、そういったものを実際に開発してたんですか?
- 関根
いや、私自身が作るんじゃなくて、周りに作れる人がいっぱいいるので、こんなものを作ろうと製品を企画する仕事をしていたんですね。仕様を固めて発注し、納品物が依頼内容を満たしているかを検証する仕事です。
こういったニーズに対してはこういう解決策が必要です、だから、こういった機能をつけてください、っていうことを仕様書に落としていき、ユーザーに実際に使ってもらいながら改善していくという仕事でした。
93年にそういったセンターを作って、製品企画とユーザー相談を始めたわけです。で、94年にパソコンボランティアっていう制度を作り、遠隔地の障害者を近所の人が支援するという制度を始めました。また95年には「こころWeb」という、こういった支援技術DBのウェブマスターを始めたんですね。それがインターネットとの出会いです。
障害者が使える技術はどこかにある。でも、その情報は、地方の障害者や支援者の手元には全然届いていませんでした。そういった情報提供を、当事者やお医者さんや学校の先生たちに対して95年から始めたのです。今思えば、だいぶ広まったといったところですね。もう十数年たっていますからね。
- 佐々木
本当だったら一日中寝たきり、という人たちが、その人に合ったパソコンを使って、ベッドからインターネットをブラウズできれば、もしかしたら、楽しい情報にであったり、ものすごく勉強もできるし、精神安定にもなりますよね。最近は、回線も光になって、安くなって、本当に役立っているのではないかと思います。
- 関根
まあ、最初はパソコンも高かったんで、障害手帳を持っていらしたら半額でお出しするというようなこともやってましたし、そのパソコンボランティアっていう、地域の人で少しパソコンがわかる人が教えに行くとか、接続のチェックに行くとか、そういったサポートもやってたんですね。
たしかに、ブロードバンド環境が整備されたので、接続料金などを気にしないでネットが使えるという点はよくなりましたね。
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