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関根千佳さん
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IBMの社長に直訴
- 佐々木
すごいギャップだったでしょうね。
- 関根
ものすごくギャップがあるんです。欧米の感覚と日本の、障害を持つ人に対する扱いというものがね。そのギャップが、89年頃だと大変大きかった。で、IBMを辞めて福祉系の仕事に就くのもいいけど、私がIBMの中でできることが何かあるんじゃないのかなと思って、社長に直訴して自分でSNS(スペシャルニーズシステム)センターっていうのを作っちゃって……。
- 佐々木
簡単に言われますけれども、社長直訴はそんなに簡単なことではなかったでしょう。
- 関根
それが、できちゃったんですよ。もともとヨーロッパとアメリカには、たとえば全盲の方が画面を音で読むための読み上げソフトや、肢体不自由の方向けの特殊な入力ソフトなどを作っていた部署があったんです。
- 佐々木
欧米のIBMには既にそういう組織があったんですね。
- 関根
そう、86年から存在していたんです。で、私は製品企画の仕事をやってたんで、それがわかっていたんですね。なんでこれと同じ部署が、アジア・パシフィックというか、日本に存在しないんだろう、って。これから高齢者がすごく増える国なのに、障害者だっていないわけじゃないのに。
- 佐々木
それは、そのとおり。
- 関根
「なんでこれ、アジアでやらないんですか?」って。だから私としては、自分のその製品企画の仕事を「普通のソフトウエアじゃなくて、この製品の担当にしてください」って直訴したんです。そしたら、社長が「わかった。新しいアイデアはとにかく歓迎するから、言い出しっぺのお前やれ」っていう感じで。
- 佐々木
すごい。それは何人のチームでですか?
- 関根
正確には、兼任の部長さんが1人で、専任の担当者が2人です。
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