ホーム > 佐々木かをり対談 win-win > 第132回 金子郁容さん

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慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科委員長、教授
金子郁容さん
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トップダウンすぎたかな
- 金子
小学校には小学校のカルチャーがあるし、慶應幼稚舎は125年ずっと続いたものがあるので、いきなり外から来て、「おかしいから変えよう」という感じが強すぎたかなって。
- 佐々木
禁煙以外にも何か?
- 金子
議論して変えるべきは変えたということは何回もありました。たとえば、私が赴任したとき、クラス編成を変えるという計画が何年も議論され、決断すべき時期でした。
- 佐々木
それは学校のリニューアルですか?
- 金子
公立学校の少人数化が進んでいたので、幼稚舎も、44人3クラスだったのを、36人4クラスにして、食堂を含めて教室を増設するのに新校舎を作る時期だった。基本的な考え方や校舎をどこに作るかなどは、舎長対教員の対立ではまったくなく、かんかんがくがく、私も意見を出して、皆で、たくさん議論しました。その結果、それまでの計画が変更されたものもあった。それはよいプロセスです。私がちょっと反省しているというのは、私のスタイルと小学校のスタイルのミスマッチです。やっぱり、教員の視点からすると、ややトップダウンすぎたかなという思いがある。
- 佐々木
そうですか?
- 金子
私は大学でも付き合いが悪いんで有名なんですよ。とくに、お酒の席は。お茶屋さんに行くのは大歓迎なんですけど。
- 佐々木
私は一緒に北京の街を歩いて、真珠を買いに行ったり、お茶を飲んだりしたので、先生にはとても親しみをもったんですが。
- 金子
ああいうのは大好きなんですよね。でも、私は、「大事な話はお酒を飲んだ席で」というのは苦手です。お酒もほとんど飲めないし。大学と兼任でめちゃめちゃ忙しかったので幼稚舎教員のゴルフ大会なども参加できなかった。つまり、私のスタイルとして、もともと付き合いが悪いわけで、大学では「あいつはそういう人だ」で済みますが、小学校の場合は、ややミスマッチがあったかなと。
- 佐々木
それは私も似てるかも。
- 金子
禁煙の話ひとつを取ってもね。「それは世間では通用しない」という姿勢が強すぎたのかもしれない。でもそれは私のスタイルなので、しかたないことでしょう。
7/20
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