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防災・危機管理ジャーナリスト、まちづくり計画研究所所長
渡辺実さん
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食べたいなんて思わない
- 佐々木
食べ物のことばかり、気にしていましたが、そんなにいらないかもしれないんですね。
- 渡辺
直後は食べたいなんて思わないって。で、避難所にお伺いして、ここに救援物資が入ってきて、でも余っているんですね。それは要するに食欲のない人たちがいっぱいいるからね。で、これが「食料が足らない」とか「まずい」とかいう声が被災者側から上がってきたら、実はしめたもんなんです。
- 佐々木
そういうことなんですか。心が回復してきている兆候だということですね。
- 渡辺
だから、避難所をオペレーションしているコアのメンバーに、いつも話をして避難所を去らせてもらうんだけど、「そうなったらチャンスだから、もう徹底的においしいものを食べさせてあげなよ」って。でも、それまでは割り引いて考えて十分。
- 佐々木
そうか。今食べているみたいにお腹いっぱいに食べる1週間分、1カ月分を想像するので、「すごく大量に備蓄しなきゃ」と思うんだけど、そうじゃなくて、もう、サバイブできるものがあればいいわけですよね。
- 渡辺
ただ、水は飲んでほしいんですよね。極端なことを言うと、僕らが取材している現場って水しか飲んでいないんですよ。あとはカロリーメイトは最適です。総合栄養食品で、バランスがとれて、カロリーもあるし。
- 佐々木
じゃ、ウイダーinゼリーみたいなゼリー状ものも栄養もあるだけでなく、水分もとれるからいいですね。
- 渡辺
ああいうものをちょっと口に入れておけばいい。それこそチョコレートでも1〜2日なら、もうまったくOKですよ。そうやって考えていただかないと、「もう、備蓄するのがすごい量になっちゃうから、やめた」っていうのが一番困るんです。だから「1日1人3リットル」って言っている、あの根拠は、いまだかつて分からないんだよね。何で1日3リットルも飲料水がいるのかってね。
- 佐々木
我が家の食料は、器具がなくてもすぐに開けて食べられるもの、温めなくても、何かを足さなくても食べられるものを多めにしているので、レトルトのスープ、お粥などが多めにあります。それを玄関とか2階のベランダとか庭とか門の近くとかに分散して置いて、その他、あとは枕元に、一応、懐中電灯と、タオルや靴下みたいな、足をカバーするものと、カロリーメイトやウィダーinゼリーなどとお水とストローを各自の避難用リュックに入れてあるんです。
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