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防災・危機管理ジャーナリスト、まちづくり計画研究所所長
渡辺実さん
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大混乱の中で迷路に入っちゃう
- 佐々木
駅が潰れているかもしれないとか、駅員や周りの人が「ここじゃなくて、避難場所に移動しましょう」などと連れていかれることはないですか?
- 渡辺
それでも「私はお母さんと、駅っていう約束をしている」って言うしかないですね。まさに大混乱の中で迷路に入っちゃうからね。やっぱり「駅から離れるな」っていう情報が、子どもにとっても一番シンプルだと思いますよ。沿線は決まっているわけだから。子どにはシンプルに、その平常時の軸を外さないような、異常時の仕組みを作るといいんだよね。
- 佐々木
我が家は「エキッズ」というサービスも活用しているので、東急沿線ならどの駅を通過したかが全部携帯に入ってきます。仮に大地震にもかかわらず、もし改札口が機能している状態だったら、少なくとも何駅で降りたっていうのが分かるので助けに行きやすいです。でも、そう考えると、それぞれの駅に少し、避難や待機の機能があるといいですね。
- 渡辺
通勤や遠距離通学をしている彼ら彼女らは、鉄道会社にとってはお客様なわけですよ。毎年、安定的に定期券を買ってくれている上客なんです。
- 佐々木
確かに安定顧客ですよね。
- 渡辺
だから、東急電鉄みたいなところは、そういうセンスの中で、ああいうサービスを始めてくれているんだけれども、他の私鉄なんて、全然そんなセンスがないわけです。
- 佐々木
日常生活でも、通学などの様子が分かることはすごく安心なんですが、特に被災した時を考えると、居場所が分かるのは本当に助けになるでしょうね。
- 渡辺
完璧にそれをやろうとすれば、今はGPSっていう認識機能がありますから、それを持っていると、それこそ地図上に描きますからね。地震のときに機能するかどうかっていうのは、もちろんあるけれども……。
- 佐々木
でも結局、電話がダメでもメールは通じることもありますし、衛星をつかったGPSもありますし、機能する可能性は高いですよね。
- 渡辺
auのGPSは電話のシステムを使わずに、宇宙を飛んでいる衛星と携帯との間のシステムで関係させたGPSを使って作っていますから、あれはなかなか優れものだと思いますね。携帯の電池さえ生きていれば、近くの避難所を検索することもできるし、自分の家までのルートも検索しますから。ただ、電池がなくなっちゃうと、そこで終わっちゃうんですよね。
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