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防災・危機管理ジャーナリスト、まちづくり計画研究所所長
渡辺実さん
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とにかく駅にいなさい
- 渡辺
すでに電車に乗っちゃったり、駅にいたり、塾に行く、なんていう行動パターンがあったりするんだけど、そういうときに大地震が起きると、いわゆる行方不明になるわけです。携帯を持たせていたとしても、携帯電話がつながらない。そういうときに、子どもの安全、まず安否をどうやってつかんだらいいんだろうか、と。質問を受けた付属小学校のお母さんたちに「どうしますか?」って言うと、「考えられる所を自転車で探し回る」って言うわけですよ。
- 佐々木
それは何だか非効率的ですね。わが子の学校では、毎年4月に、避難場所や、はぐれた時の集合場所を家族で話し合い、確認して、児童手帳に記入するということをしているので、我が家でも毎年一度は、子どもたちと確認しています。今は、地域の避難場所と指定されている小学校を第1集合場所にしています。その他は、公園とか、その他の場所を。
- 渡辺
じゃあ、お子さんはちゃんとそういうトレーニングを受けていますか?
- 佐々木
連絡のトレーニングですか? どういうトレーニング?
- 渡辺
そこへ、たとえばどうやって行くか、とか。
- 佐々木
第1集合場所は、家の前なので大丈夫です。でも家と学校の間は、私も、どうするのかな、と思っているんです。
- 渡辺
だからそれは第2、第3の避難所が決められていて……。
- 佐々木
そうか。通学途中での場所を決めておけばいいんですね。3つの避難場所が皆、自宅の近くではだめだということですね。
- 渡辺
家と学校の間は決まっていないのね? 電車に乗っている間は。電車通学をしている子どもたちって、実は、乗る駅と降りる駅しか情報として持っていないんですよね。でも地震が発生したときの電車は、始発と終点、自分が乗る駅、降りる駅で停まるとは限らないわけです。途中でも停まるでしょう?
- 佐々木
途中の全部の駅で一旦降りてみて、この駅の近くだったらどこかっていうのを確認しておくのが一番いいっていうことですか?
- 渡辺
でもそれで「近くの学校とか公園」って言うと、たとえば10個駅があると10個覚えなきゃいけない。
- 佐々木
覚えるのが大変ですね。
- 渡辺
それってたぶん非現実的。だから「とにかく駅にいなさい」というのがいいですね。するとお母さんは10あったら10個の駅をチェックすれば、そのどこかにいる、と。これが大体、学校のマニュアルを見ると、「そばの小学校が避難所」なんて書いてあるんです。でも「避難所」なんて概念を子どもたちに押しつけちゃいけないんですよ。
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