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防災・危機管理ジャーナリスト、まちづくり計画研究所所長
渡辺実さん
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何も改善されないんです
- 渡辺
そうですね。能登半島地震(2007年)のときのことをお話ししますと、もう全くもってその状況が被災地に生まれていたわけですよ。被災者の数がそんなに多くなかったから、これはコスト的に言っても、物品としても、わりと簡単に集められるだろうと思って、災害対策本部に行って、「こういう者だけれども、これはおかしいよ。だから改善しようよ。できるじゃない、これぐらいの数なら。よかったら、僕が声を上げて、メディアを使って……」と言ってみたんです。それこそ全国から集めちゃうと、ものすごい量が集まっちゃうから難しいのだけど、でも、決してそれが不可能な環境ではなかったから、災害対策本部に言ったんですよ。
ところが、僕が動くと当然カメラがくっついてくるもんですから、カメラマンに「外で待っていて」と言って、その話を総務の方にもお話したんだけれども、「それは承ります」みたいな感じで、結局1カ月ぐらい被災地の中にいましたけれども、何も改善されないんですね。
つまり何が言いたいかというと、「災害対策の専門家」っていう肩書きで仕事をしていくのと、もうひとつ「ジャーナリスト」という、とても胡散臭いんだけれどもこの肩書きを持つことによって、切り口を非常に表向きに、あるいはクレジットとして明確にできる、という思いで行動したわけです。でも、やっぱり「胡散臭いな」と片一方では思っているんだけれども……(笑)。
- 佐々木
こういった、ある意味、地味なテーマで、危機が発生して驚いたときには皆が注目するけれども、すぐに忘れてしまいがちなテーマには、ジャーナリストということによって、メディアを有効に使えるというのは役立つことがあると私は思いますけれども。
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