ホーム > 佐々木かをり対談 win-win > 第131回 渡辺実さん

131 |
防災・危機管理ジャーナリスト、まちづくり計画研究所所長
渡辺実さん
|
|
|
とんでもない地震がもうじき起きるんです
- 佐々木
ここに貼ってある地図(全国を概観した地震動予測地図/文部科学省・地震調査委員会)ですが、この赤い部分が危ないんですか。
- 渡辺
これは、東海、東南海、南海地震と、人間が勝手に分けているんですけれども、このあたりで、とんでもない地震がもうじき起きるんですね。「南海トラフ沿いの地震」といって、大体100〜150年ピッチで起きている、M8クラスの巨大地震なんですよ。こいつは京都大が行ったシミュレーションですが、コンピューターに発生確率計算をさせると、2030年±5がその最大のピークになるんです。もう入っていますけれども。そうするとマイナス5だと2025年じゃないですか。
- 佐々木
あと15年ぐらいですね。
- 渡辺
そうすると僕も佐々木さんも、年齢的にこの地震と戦えないんですよ。この地震と戦うのは今の若い子たちなんです。
- 佐々木
地図の真っ赤な所が、一番被災するっていう所だということですか。
- 渡辺
揺れが大きい所です。とにかく東海、東南海、南海地震は、面で、超広域に被災するんです。陸域のすぐ近くの海底で起きますからね。海の地震ですから、地震の揺れの後に、スマトラ沖地震(2004年)の津波を覚えていらっしゃるかな、あれにバーッと襲われるわけです。もう、とんでもない出来事なんですね。
実は1900年代に同じことが起きているんですよ。そうすると、もう2009年でしょ? もう、100年、時間が経過しているわけです。だから、もうこの地震の再来周期に入っているんです。
防災教育、あるいは防災の文化っていう視点で考えると、もう僕らの世代をいくら訓練しても、役に立たないとは言わないけど、大事なことは、そのピークを迎えるときに、この地震と戦いを挑むのは今の10〜20代の子たちなんです。だから、この子たちが防災力をつける必要がある。
- 佐々木
その頃に大人になって、中心的に動くべきは、私の子どもの世代ということですね。今、9歳と14歳です。
- 渡辺
ですね。この世代の子どもは一生のうちに絶対に、最低2つ以上の巨大地震を経験する子どもたちですよ。これって、やっぱり目を逸らせちゃいけないことなんだよね。
15/22
|
 |
|
|