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アルトマン京子さん
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「こんなの、女の子はやらないと」といったのが引っかかって
- 佐々木
今、「ジャーナリストとして」って言ったけれども、一番最初は弁護士になりたかった。その前は、エール大学の電気工学科。どんなキャリアプランだったのですか?
- アルトマン
子どもの頃、アメリカと日本の間を行き来しているとき、アメリカの友達は日本の友達のことをなかなか理解してくれないことでフラストレーションをよく感じたことがあったんです。だから 国際理解に貢献する仕事がしたかったんです。国際弁護士だったらそれができるかなと思ってたときに、ジャーナリズムをとおしてそれができるということを発見したんです。
電子工学を勉強したのは、アメリカの大学の場合、日本と違って、医者になろうと思わない限り、大学で何を勉強してもいいんですよ。だから、大学の友達が、「エンジニアリングは、女の子はやらないよ」と言ったのが引っかかって、「じゃあ、やってみよう」って言って、やったんです。電子工学のコースを取って、好きで、そのまま。
それがなぜレポーターにつながるかっていうと、うーん、授業をやっていると分からないことがたくさんあるじゃないですか。で、私は、そのクラスの中で、ただ一人の女子だったから、バーンと手を挙げて、「分かりません」って言えたんですよね。他の男子は、まじめに、将来エンジニアになるためにやっていたし、質問をすると分かっていないっていうのがばれて恥ずかしいから、なかなか質問ができなかったみたい。レポーターってバシって質問しないといけないじゃないですか。
- 佐々木
女子一人だから質問できなかった、という人もいる中で、女子一人だから質問できた、というのは、私、好きです。で、電気工学でどんな勉強を?
- アルトマン
システム制御論。もう、覚えていないです。でも、電子工学で身に付いたのは「こういうふうにやっても、うまくいかない。じゃあ、こういうふうにやってみる」って、いろんな視点を変えて、問題解決するまで、どんどんやっていくっていう、そういう基礎かな。そして、私の場合は、とにかく質問をして、だんだん理解を深めていくっていう意味では、ジャーナリズムにつながったのかなと思います。
- 佐々木
探求し、探っていく。
- アルトマン
そう。でも確かに、先生は怒りました。せっかく電子工学を勉強したのに、テレビ局に就職したから「何で? あなた、これだけやったのに」って、がっかりされました。
- 佐々木
だけど、今、京子ちゃんの話を聞いていると、「女にはできないでしょ?」って言われただけで、燃えて、電子工学をやっちゃうとか、だめだと言われても諦めないで「湾岸戦争を取材します」って言う。私も、悔しいと思うとやりぬく性格だけど、でも、大学で電子工学に行くほどの強さもなかった。
- アルトマン
あの頃は、まだ反抗期だったんじゃないですか? エール大学に行ったのも、似たようなことで。
- 佐々木
「女は、エールなんて行かない」って言われたの?
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