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アルトマン京子さん
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心に残ったレポートといえば、
- 佐々木
私は、そもそもレポートや番組制作の仕組みさえ最初はよく分からなかったのだけれど、不平不満はあまり言わずに、危ないところでも、電気や水道のないところでもどこへ行っても元気に帰ってくる重宝なレポーターだったらしくて、国境線沿いとか、ゲリラのいる所とか、難民キャンプとか、そういうハードネタを多く取材しました。二十数カ国に行ったかな。沢山の思い出と学びがあるんですが、京子ちゃんはどんな場所、レポートが、記憶に残っていますか?
- アルトマン
そうですね…… 湾岸戦争が終わった一年後に湾岸諸国に戻ってレポートしたときに、戦争の傷跡ってこんなに深いものなんだと強く感じたのを覚えています。「まだ戦争は終わったわけではない」という声をたくさん聞きました。今イラクの問題が続いているのもそういった複雑な背景があるからじゃないかな……。
心に残ったレポートといえば、ブラジルのアマゾンを5000km横断した環境問題の特集、環境汚染で生活が脅かされているアララ民族の取材、アマゾンの金鉱問題、それから環境保護活動家チコ・メンデスが世界に注目させた森林のゴム樹液に関する取材など、45分間の特集を作りました。そのとき、環境問題と貧困問題がいかに絡み合っているかということをもすごく実感しました。
もう一つ、キューバのエイズ問題のレポート。キューバ政府は、エイズの感染を止めるために、HIV感染者を全員サナトリウムに入れる政策をとったのです。そこで私は、同じ年齢のエイズ感染者をとおして、エイズのような重い病気と戦うために必要な勇気というものに、感動したのを覚えています。サナトリウムに閉じ込められた生活を強いられ、死ぬかもしれないと思いながらも、希望を持ち続けるという姿。
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