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浜田宏さん
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非常に堅実、質素な家庭でした
- 浜田
とにかく、地味な家なので、外食もあまりしないし、家族で高いホテルに泊まったっていうこともないし。幸い、貧乏ではなかったですけど、非常に堅実、質素な家庭でした。「教育しか、うちはあなたに残せないのよ」っていうのは合い言葉。流れている空気感として、商売だ、お金だっていうのは、良くないことですよ、っていうのは流れていました。
起業して商売やって、倒産させて、多くの人を泣かせてとか。人に迷惑をかけることもあるから、堅実に地道に生きていきなさいと。今なんて、おふくろに、「あなたは一体、どうしちゃったんでしょうね、私の教育が間違っていたのかしら」なんて言われます。
- 佐々木
私の父がそうでしたね。父は、ものすごくまじめな人で、多才な人でしたが、職を10回以上は変えたんです。それはある意味、浜田さんの、数日で辞めようと思ったじゃないですが、入社すると、悪いことをしている人が目について、それで怒って辞めちゃうの。だから、彼の中では、会社経営は、みんな何か悪いことをしていて、悪いことをしなければ長く続かないのだろうって、学習したんですね。なので、私が会社をつくってからは、毎週のように、酔っぱらって日曜日の夜中になると、リンリン電話が鳴って、出ると「何か悪いことしてるんじゃないか。大丈夫か」って。
- 浜田
(笑)。
- 佐々木
「つぶれないということは、お前、誰かだましているんじゃないか。従業員にはお給料を払っているのか」ってね。週末は私、電話線を抜いていたんですよ。
- 浜田
本当?!
- 佐々木
父が亡くなるまで何年か続きました。新聞とかに私が何かで取り上げられると、「いい気になるな!」とか、何かコメントすると、「あの発言の根拠は何だ!」とかね。最後まで、私が何か悪いことをしているんじゃないかって、ずっと不安で仕方なかったみたいです。それでいて、蔭ではお財布に私の成人式の写真を入れて、自慢の娘みたいな……。
- 浜田
今そのお話を聞いていてね、そのDNAは、かをりさんに残っていると思う。
- 佐々木
残っている?
- 浜田
正義感。すごく残っていて。血液に流れていて、DNA化されているんだろうね。
- 佐々木
そうかもしれませんね。先日も、融資のお話で、金融機関と話しているのだから、下手に出るのが普通なのに、その人の態度が悪いからといって、つい「あなたたちの組織がそんなことじゃいけないんです。世の中が良くなりません」って。
- 浜田
だから残っているね。
- 佐々木
浜田さんの中にも……。でも、ビジネスでは、ガンガンもうけていますよね。デルの社長になられたときも、600億の売り上げを3年で3100億に上げたとか。
16/24
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