ホーム > 佐々木かをり対談 win-win > 第110回 長坂将志さん

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長坂将志さん
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その女の子を追いかけて……
- 佐々木
西海岸に行ったのは、ガールフレンドがいたからでしたっけ。
- 長坂
表の話は、ぼくが行こうと思った年代で、フランスに修行しに行った料理人は、山のようにいたんで、今さらぼくはフランスに行って、大先輩たちと競争したって、負けるのは分かっているじゃないですか。そんなときには、やっぱり新しい風を持ってこなきゃいけないから、日本に今あまりその浸透していない何かを持ってきたいな、って思って、アメリカへ。当時、カリフォルニアキュイジーヌという風をびゅんびゅんと感じていたんで、料理本とかも含めて、これは何か文化があるな、と。なぜ、フレンチやイタリアンと並ぶキュイジーヌができたんだろうと思って、探りに行こう、と。カリフォルニアから料理の文化が生まれるって考えられないじゃないですか。
で、裏の話は、六本木のサパーでバイトしているときに、知り合った女の子が、ロスに住んでいまして、その女の子を追いかけて……ぼく、どこでも良かったんですよ。結局、人生の岐路には、常に女性が方向を示してくれましたね。
でも、行って1カ月で追い出されたんですよ。ぼく何も仕事をしていなかったですから。東京で出会ったときは、朝10時から翌朝5時6時7時くらいまで、レストランで働いてたんです。いまどきこんなに働き者の男子がいるとは思わなかった、みたいな魅力から始まってたんです。ところが向こうに行ったら、昼間っからビール飲んで、わけのわからない英語のテレビを見て、ぼけっとしているわけですからね、それは嫌にもなるでしょうね。で、追い出されて。
- 佐々木
その後どういう女性が、どこに出てくるんですか? 道を示してくれた女性。
- 長坂
それは、まさしくそうで、私、今後、論文を書こうと思っているのが、「姿勢とパフォーマンス」っていうことなんです。
ああ、そんな。
- 佐々木
自分で、言い始めたので、せっかくだから、引き取ってあげようと思ったのに(笑)。
- 長坂
困ったなあ。女性に全てかき回されてきた人生ですからね。いやいや、やっぱりやめておきましょう。これは危険だから。危険だわ。危ないや。
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