ホーム > 佐々木かをり対談 win-win > 第110回 長坂将志さん

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長坂将志さん
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好きなお店は
- 佐々木
昨年末からの話題が、ミシュランのガイドブックでした。82歳のお寿司屋さんが三ツ星とかで話題になっていますけれど、マサさんにとって、ああいうレストランの評価とか星っていうのは、どんな位置づけですか。
- 長坂
あ、自由にすればいいんじゃないかな、っていうレベルですよね。それぞれの見方がありますから。うちはシーンがすごく偏っているっていうか、偏りたいんですね。だからこの店は、商売の色を見せながら、一生懸命やっちゃいけない店だと思っているんですね。
せっかくそういうラグジュアリーを売るんであれば、やっぱり、豊かな心で、あくせくすることもなく、ゆったりと、時間をリッチに使うというようなことで考える。もうお店にお客様がいっぱいで、ぼくはもう汗だらだらで、「佐々木さんいらっしゃいませ!」なんて言っちゃうようじゃ、ちょっと困るなって。そういう色分けがしっかりできていいと思いますよ。
星が取れていない人の一番かっこいい言い訳は、「断った」っていう言い方がありますからね。うちはみんな断りました、って言ったんですけれど。でもよくよく考えると、従業員の話を聞いても、そういう人、そういえば一人も来てないね、って(笑)。誰も来ていない。何となく分かるじゃないですか。でも、それらしき人は、誰も来ていないですね。
だから、それでいいんだよ、って。この方向性で行こうね、ぶれないように、っていう話はしていたんですけれど。
- 佐々木
マサさんが気になって行く店とかってあるんですか?
- 長坂
ありますよ。好きなお店は、ずっと好きだったんですけれど、最近そこもすごい人気が出ちゃって、なかなか行く機会がないんですけど、この間久しぶりに自分の誕生日に行ったんです。西麻布のデュヴァン・ハッシシ(Du Vin HACHISCH)っていうフランス料理。すごくカジュアルで値段も楽しくて、何がいいって、ワインがすごく安いんですね。
古いワインなのに、値段がなかなか面白い値段というか、安い値段で。最初は何の気なしに、ああ、これはバースデーヴィンテージ、バースデーの女の子を落とせるね、っていう感覚で思ったんですよ(笑)。
ところが、ぼくが思っていた年齢よりももっと古いのがいっぱいあったんで、ああ、そういう使い方をしちゃ駄目だと思って。50年代のワインとかも安い値段で楽しめるお店だなって思って、思考を変えたら、料理も美味しいことに気がつきまして、それからずっと行くようになっていたんです。
24/27
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