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渋谷 和宏さん
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「感動がないんだよね」って言われたんです
- 渋谷
ええ、ありました。最初の記事に対して編集長や副編集長から「感動がないんだよね」「君がおもしろがってなきゃ、読者はおもしろがらないよ」と強く言われたんです。感動とは、まさにモチーフを通して読者に伝えたいメッセージが換気するものであり、面白がっていないというのは、そのメッセージを発したいという内発的な動機が無いということですよね。
それでショックを受けて、「とにかく今のままではダメだ。企業のストーリーを通して感動を伝えられるようにならなければならない。そのためにはいろんな人に会ったり本を読んだりして、自分の感度を上げるしかない」と思いました。
それから一方で、自分はいかに文章が下手かも痛感しました。そこで当時の日経ビジネスの中で「おもしろい」と言われている記事を読んで、それらを片端から書き写したんです。
- 佐々木
書き写すというのは?
- 渋谷
文章を、そのまま原稿用紙に。
- 佐々木
写経みたいに(笑)? 本当に?
- 渋谷
ええ、そうすれば自然に文章が出てくるんじゃないかなって期待して。要するに僕は「何を書くか」ということと「いかに書くか」ということの二つ壁にぶつかっていたんです。それって、あんまりですよね。そこで少なくともいかに書くかについては、早く壁を乗り越えようと。そこで時間ができると記事を書き写していたんです。
- 佐々木
でも、そこに、すぐに行きついたっていうのは、素晴らしいですよね。
- 渋谷
それだけ悩みが深かったんだと思いますね。
- 佐々木
ちょっと違う角度から考えてみれば、アソシエでいろんな若者にも触れられると思うし、悩みにも触れられると思うんですけど、そういうことと比較して考えても、一つ目の記事に対して、「君がおもしろがってないからね」とか「感動がないんだよ」とかって言われた時に、そこで真摯に受け止めて、人の、いい文章を書き写そうとか、勉強しようとか、自分の感度を上げてみようなんて、すぐにシフトして、2〜3ヵ月後には成果が出るなんていうのは、ものすごく優秀な新入社員ですよね。
- 渋谷
いや、そうでもないんですけど、そうだったかな(笑)。
- 佐々木
編集長になられたわけですから、飛び抜けて優秀だとは思うのですけれど。
- 渋谷
いや、そんなことはなくて、まったく自信がなかったですし。
- 佐々木
上司からのそういったフィードバックには、反発する人だっているでしょ?
- 渋谷
そうかもしれませんね。あるいは受け流しちゃうとか。そうしなかったのは、編集長や副編集長の言葉がすごく胸に響いたからでしょうね。
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