カラパナの最新作「Blue Album」でも作曲、リード・ボーカルでフィーチャーされるなど、今ハワイで最もAORな風を運ぶシンガー・ソングライター、モーリス・ベガ。そんな彼が1995年に制作、96年に発表した一大傑作が03年録音の新曲を追加収録し、ついに日本にも上陸。このメロディー、この質感、この空気……。この夏の「決定打!」をアナタにプレゼント。
アルバムの表題曲は、彼がこの世で最も大切にしている2人(奥さんと息子さん)のハートをテーマにした名曲で、カラパナの新作『Blue Album』でも、メンバーのリクエストにより再演している。
5曲目の「You In My Life」は、マッキー・フェアリー&ナイト・ライフのアルバムでやった曲のリメイク。
以前はリズムのあるポップ・ロック調だったが、ここでは、しっとりとしたバラードに変身させている。
ちなみに、この曲は3パターンのアレンジがあり、ライブでは客層に合わせて演じ分けているとのこと。
もう1パターンはカントリー・スタイルのバージョンということだが、もともとこの曲は、ウィリー・ネルソンを想定して書いた曲とのこと。
また、モーリス本人が一番気に入っているのは10曲目のジャジーなナンバー、「Don't Leave Me Alone」。ここでは、神は決してわたしを一人にしない、というクリスチャン的な意味が込められている。
そして、11曲目は日本のみのボーナス・トラックとなる「People Get Ready」。ジェフ・ベック feat. ロッド・スチュワートほか、ジャンルを越えた人々にカバーされている、カーティス・メイフィールド作のソウル・クラシックスだ。モーリスの温かみがこの1曲でも十分に伝わってくる。
[タイトル] 2
Hearts
[アーティスト] モーリス・ベガ
[収録内容]
01. 2 Hearts
02. Talk To The People
03. Healin' Heart
04. You Are The Vision
05. You In My Life
06. Shining Star
07. Derek's Tune
08. Destination Haven(Rocket)
09. Holdin' Me Tonight
10. Don't Leave Me Alone
11. People Get Ready (*)
(*) bonus track
【日本のリスナーへのメッセージ】
「みなさんがこのアルバムを楽しんでくれることを心から願っています。ここには違ったスタイルの音楽がいろいろな形で収められています。そして、それは典型的なハワイアンやジャワイアンとは違う、僕だけのものだと思っています。その違いを味わっていただけたらうれしいです」
【モーリス・ベガのプロフィール】
モーリス・ベガは1957年11月18日、マウイ島のワイルク生まれ。おじいさんがコンガをはじめとするさまざまなパーカッションを持っていたことから、5、6歳でそれらを叩き始め、10歳くらいになると今度はドラムスをプレーするように。その後、14歳からギターも始め、独学で曲作りもスタートする。
ハイ・スクールを卒業した3日後に日本に渡り、外国人バンドが箱バンを務めるクラブで数カ月間演奏。そしてその年の後半、今度はロサンゼルスに移り、ベースのケンジ・サノとベガ・バンドを結成する。ロサンゼルスではすぐに成功するには至らなかったが、80年ごろ、故郷のマウイに戻っている時、すでにカラパナを脱退していたマッキー・フェアリーのギグがあることを知り、昔からカラパナの大ファンだったモーリスは、ライブ会場へと足を運ぶ。
そして、そのライブの打ち上げ的なパーティーがモーリスの友人の家で行われることを知った彼は、車に積んであった2本のギターをそこに持ち込み、ライブを終えた主役の登場を、今か今かと心待ちにした。
ついに登場した、マッキーと念願のセッションも実現。さらに、そのパーティーではベガ・バンドのテープも流していたようで、それにも興味を持ったマッキーが「バンドのみんなに会いたい」と発し、翌日には、ロサンゼルスからケンジ・サノもマウイに合流。そして3人は意気投合し、マッキーがロサンゼルスに移ることを条件に、バンドに合流。グループ名はやがてシャインと変わり、結局はマッキー・フェアリー&ナイト・ライフに落ち着き、その名義でアルバム『Mackey
Feary & Nite Life』を83年に発表する。
しかし、その評判が高まるにつれ、マッキーのカラパナ復帰を望む声も大きくなり、結果的にカラパナのリユニオンが実現し、グループは自然消滅してしまう。しかしながら、モーリス・ベガはその才能を買われ、バック・ヴォーカル&パーカッションでカラパナのライブをサポート。また、それ以外の時間はソロ活動に専念し、ホノルルのクラブで歌ったり、グアム島のヒルトンで歌ったり、そういった日々が何年か続いていく。
その中で自作の曲を書きためていったモーリスは、95年にある程度納得のいくマテリアルがそろったことを実感。いよいよソロ・アルバムの制作に取り掛かる。それが今回クール・サウンドから出る『2Hearts』。まさに「これぞAOR!」と叫びたくなるサウンドがアルバム全編で体験でき、レアながらこれを入手したAORファンは、誰もが大絶賛。
アメリカ西海岸の陽光をたっぷりと浴びたようなポップスから、シャーデーを思わせるクールなグルーヴ、70年代のSSWを思わせる弾き語りバラード、さらに、レゲエやラップまで取り入れているが、しかし、そのどれもが心地よいAORな風を感じさせ、極めて自然なブレンドになっている。
そして、2003年7月25日、そのアルバム『2Hearts』がボーナス曲「People Get Ready」を追加収録し、クール・サウンドより日本発売が実現!