
資生堂のCM音楽を集めたアルバムを出そうと最初に考えたのは、去年の10月ごろでした。このところコンピレーション・アルバムというのが流行っていますよね。そんな時代の中で、資生堂の宣伝史を振り返ってみると、結構いろんなヒット曲がある。じゃあ、それらをまとめてコンピレーションにできるといいよねと友人と話していたのが発端です。東芝EMIさんとソニー・ミュージックさんにお話ししたら、「それはいい企画」と乗り気になってくださいました。
資生堂は今年で創業131年。宣伝にも古い歴史があり、受け継がれてきた文化というものがあります。「ものごとはすべてリッチでなければいけない」という初代社長の精神が基本にあり、それにプラスして上品さ、清潔感、新しさがなければいけない。それが資生堂の美意識なんです。
2000年に、ポスターやパッケージなど、グラフィック媒体を中心とした宣伝史の展覧会を開催したところ、東京でもパリでもニューヨークでも大変評判がよかった。そこで、今度は、CM音楽についても資生堂の美意識をまとめてみたいなと思っていたんです。
選曲については、レコード会社さんのほうにお任せしました。1975年から現在まで、どの曲も一世を風靡したヒット曲ばかりで、著作権の問題などもあり、これだけ集めるには随分大変なご苦労もあったようです。
一方、そのCDを包むジャケットなどのクリエイティブ面は、すべて資生堂が行いました。資生堂らしさを出すために、ネーミングやモデル選び、撮影、デザインなど、あらゆる点でかなりこだわって創り上げています。
このリポートを読まれて、感じたこと、考えたことをぜひ教えてください。あなたのご意見をお待ちしています。
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