ホーム > 佐々木かをり対談 win-win > 第91回 Carol Bellamyさん

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ワールド・ラーニング代表兼CEO、前ユニセフ事務局長
Carol Bellamyさん
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ネットワークは大切です
- 佐々木
アメリカでは、仲間同士のネットワークがとても大切だと言われていますね。
- ベラミー
ネットワーク作りはとても重要です! 働く母親にとっては、地元の教会仲間や、プロのベビーシッターを網羅したネットワークを作り、何か起ったときに、子どもを見てもらえる人にあらかじめ連絡しておいたり、確保することも必要かも知れませんね。仕事上のネットワークだけではなく、日常生活の上で必要な人材やサービスを確保するためのネットワーク作りも、働く母親や女性にとっては、同じくらい大切ですから。
- 佐々木
私も働く女性たちを対象にいろんなセミナーやネットワークの提供をしています。変化が見られてきていますが、まだまだこれからだという感じが強くしています。
- ベラミー
これから5〜10年後にあなたの歩いて来た道を振り返ったら、きっと感慨を覚えると思いますよ。私が仕事を始めたとき、社会の第一線で働いている女性は本当に少なかったのです。当時、ハーバード・クラブに女性は、正面玄関から入ることもできなかったのですから! 女性用の入り口が脇にあったんですよ。イェール・クラブも同じでした。
でも今はそんな昔があったことを話題にする人はいません。それだけ女性の社会進出が当たり前のことになったのです。ただほかの人より一足先に社会に進出した女性は、どうしてもまだ時として、後輩たちのために道を切り開いて、先に進んで行かなければなりません。
今のアメリカには、政界への進出を考えている女性がたくさんいます。それでも男性に比べるとまだ少ないほうですが、多様な意見や政策をもった女性がたくさん現れてきたことは、歓迎すべきことです。
私が初めてニューヨーク市の市議会議員選に出馬した時には、「なんで女のあんたが、市議会議員になりたいんだ?」という質問を何度もされましたからね。
日本が米国に遅れているのではなく、アメリカと日本では働く女性を巡る環境が違うのだと思います。
だから日本の働く女性を巡る状況が改善しても、それがアメリカ型のものとは違ったものになる可能性が高いのです。
管理職以上に進む女性の数は、アメリカに比較すると少ないかもしれませんが、それでもいいじゃないですか。状況は明らかに改善しているはずですし、それぞれの社会が受け入れられる形で、女性の社会進出を助けていくしかないのです。日本はアメリカと競争しているのではないのです。もちろん、日本はアメリカから学ぶことがあるでしょう。でもアメリカ型になることが、解決策ではないのです。
- 佐々木
そうですね。本日は貴重なお時間、ありがとうございました。多くの子どもたちに教育が与えられるようにと思いました。更なるご活躍、お祈りしています。
対談を終えて
短い日本滞在の貴重なお時間をいただき、お話しすることができて嬉しく思いました。企業でも政界でも、と多様な経験をされている彼女は、まさに、複眼的視点で地球社会を見て、今の活動、そしてこれからの活動を考えているように感じました。いつまででも仕事をしたいという彼女は、指揮官のよう。サバサバしていて、はっきりしていて、確固たる信念が伝わってきます。余計なことは考えない、言わない。目的に向かって、行動あるのみ。そんな力づよいメッセージを受けた対談でした。
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