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金平 敬之助さん
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13歳で、主婦になったんです
- 金平
実は中学3年のとき、一家の"主婦"になったんですよ。中学3年から大学を卒業するまでですが……。一家は私も含めて5人。途中で3匹の犬が加わりました。その一家の家事すべてを切り盛りしていたのです。
- 佐々木
どなたがですか?
- 金平
私が……。
- 佐々木
中学3年のときに?
- 金平
3年のときから大学を卒業するまでです。昔のことですから、朝掃除をします。ほうきとはたきを持って、ぞうきんで。学校に行く前です。で、夕方、学校から帰ってまた掃除をします。そのあとは夕食の準備です。もちろん、薪でご飯を炊く時代ですよ。時間もかかりました。翌日が期末テストがあっても主婦をしてから勉強しました。自慢になりますが、短時間で集中して試験勉強しましたから、かえってテストの結果がよかったですよ。だから、私の経験で世の中のお母さん方に忠告したいのは、「お子さんに勉強させたかったら時間をたっぷり与えたらダメ。家事を手伝わしてから机に向かわせるのがいい」ということです。
- 佐々木
お母さま、お父さまは?
- 金平
母親が、都合があっていなかったのです。だから、父親と兄2人と腹違いの小さな妹がいました。その子の面倒をみて、三つ編みなんかもしてやったんですよ。それにね、佐々木さんだって絶対経験していないことをしています。その頃は靴下の踵に穴があくと、繕わなくちゃいけない。で、踵のところを繕うには電球を使うわけですよ。
- 佐々木
電球ですか?
- 金平
知らないでしょう?
- 佐々木
知りません(笑)。
- 金平
電球を踵に入れて膨らましておいて、小さな布を当てて繕うんです。5人分やっていたんですよ。洗濯はもちろん、たらいで、土曜日ごとでした。
- 佐々木
冷たい水でね。お湯が出るわけじゃないですから。
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