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Clay Chandlerさん
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マスコミ産業の将来を、非常に心配しているんです
- 佐々木
これからは、クレイはどっち? 新聞、雑誌? たぶん、またスカウトが。
- チャンドラー
いや、わからないですね。本当に僕は、マスコミ全体の、マスコミ産業の将来を非常に心配しているんですね。
- 佐々木
あらそれはどうして?
- チャンドラー
っていうのは、僕、今の仕事、とっても好きなんだけれども、この仕事っていうのは、極めて不思議な仕事でね。いつまでこういう仕事が存在するのかって、わからないですよ。
新聞のことでさえ、これ、7年くらい前に気がついたのですけれども、インターネットが普及し始めた頃に、僕は友達に言ったのだけれどね、自分が今、やっている仕事を説明しようとしたらできないじゃないですか。考えてみてください。
じゃあ、孫にね、「おじいさんは、こういうものを書いて、それを人に渡して、その人がそれを編集して、新聞に載せるんだ」って言うと、「おじいさん、新聞って、なあに?」って言われてね。
「新聞はね、紙に印刷したものなんですよ」
「紙?」
「そうですよ」
「紙、要するに木をとって、それをぐちゃぐちゃにして、工場で紙にして、その紙は違う工場に行ってインクで印刷して、それをトラックで運転している人たちが近所まで持っていって、若い人たちがアルバイトでそれを人の玄関まで手渡すっていうこと?」
「そうそうそう」
「それが、何、雨とかに濡れちゃったりして」
「そうそうそういうこと」
「で、何、読んだら、自分の手にインクがついてくるっていうこと?」
「そうそう、そういうことなんですよ」
「で読んだあと、ずっと台所の中に集めて、それをまた処分する必要があるんですか?」
「そうそう、そのとおりですよ」
「人がそんなものにお金出したのですか」って。
多分、全然理解できないんじゃないか、と。雑誌はまだいいかもしれない。でも、やっぱり、そういうデイリーなニュース。紙に印刷した新聞の存在自体が問われる時期に、もう少し近づいたんじゃないですか? そう思うんですよ。
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