ホーム > 佐々木かをり対談 win-win > 第85回 Clay Chandlerさん

85 |
Clay Chandlerさん
|
|
|
グリーンスパンの家まで行ったら、逮捕されちゃうでしょう?
- チャンドラー
例えばね、僕は、ウォールストリート・ジャーナルにいた時ね、ウォールストリート・ジャーナルの支局が、日本経済新聞の11階にあるんですけれども、だから当然、日本経済新聞の友達がいたんですが、たとえば金融クラブに入っていた、日本経済新聞の友達が何を追いかけていたかっていうと、金利はどうなるのか、日銀のいろいろな人の家まで行って、「話を聞かせてください」って玄関でずっと待って。
本人が「ああ、あの記者かわいそうだな」と同情を感じさせるまで、ずっと待っていてね、夜中の2時とかね。本当にそれは効果的なのかな、と僕はずっと疑問に思ってね。それをずっとやってて、何が得られるのかな、と。
例えばその人がね、「教えてあげましょう。金利0.何パーセント上げますよ」とおっしゃって、それが明日の日本経済新聞の一面に載って、「日銀に近い筋に言わせると」何とかかんとか、とか、曖昧な言い方でそれが出てくるわけでしょ? で、それでその記者が賞をもらって、「ああ、お前ご苦労さん」とよく社内で言われるのですが。
逆にね、僕はワシントン・ポストのワシントンDCのチーフ・エコノミック・コレスポンデントで、アラン・グリーンスパンの家まで行こうとしたら、逮捕されるっていうのが間違いないですね(笑)。「お前、何だ! テロリストじゃないか!」って警備の人に言われるのがひとつで、例えば、警備が全然いないとしても、グリーンスパンが玄関まで出てきて、「お前、ご苦労さん、お茶でも飲まない?」って誘われてね、「クレイさん、オフレコだけれど、ちょっとお教えしますけれど、お前、苦労して、ご苦労さんだから。明日の金利5%上げるぞ」って教えてもらってもね、オフレコで教えてもらっているから、使いようがないんですよ(笑)。
- 佐々木
オフレコだと書けないわね(笑)。
- チャンドラー
で、走って、ワシントン・ポストの本社まで行って、ベン・ブラッドベリ、あるいはレン・ダウニーなど編集長のところまで行ってね、「わー、スクープがとれたぞ! 明日、金利が上がるんだぞ!」と言っても、「じゃあ、それを新聞の中にどうふうに引用できるのですか? 誰に言わせて、どういう風に書けばいい?」「いや、それは書けないよ」って言ったら、「じゃあ、それは新聞に載せることもできないんだぞ」と。それはもう全然違うんですよね。
9/32
|
 |
|
|