取材元は明らかにするのが基本

佐々木

それはおもしろいよね。じゃあ、取材元もソースも明らかにしなきゃいけない。

ﾁｬﾝﾄﾞﾗｰ

それが理想なんですけれどね。

佐々木

でも当然、それは確信がある、クレイのプライベートなソースから聞くこともあるわけですよね？　で、あなたは情報源に確信があるから、署名入りで書くけれども、記事の中にはその人の名前は出さない、ということもあるんですか？

ﾁｬﾝﾄﾞﾗｰ

ということもあるんですよね。例えば、まったくオフレコで教えてもらって、なるほど、とわかって、その情報を違う人に持っていって確認する、と。

佐々木

ああ、そういうこと。

ﾁｬﾝﾄﾞﾗｰ

裏に、こういう情報があるっていうことを知っていて、その話が隠れているんで、じゃあどういうふうに正式に出せることができるか、ということですよね。

佐々木

でも先ほどの日本のみたいに、「ある情報筋によると」みたいなことは、ないということですよね？

ﾁｬﾝﾄﾞﾗｰ

いやあ、でも、ないことはない。残念ながら。この間のイラク戦争の問題でね、大きくニューヨーク・タイムズでさえ、マスコミの報道が歪められてね、なんか変な方向にもたれちゃってね。それは、自分のソースを読者に教えない、ということが、そもそもの問題だったんですよ。要するに、記者が利用されちゃったっていうことで。それがアメリカでも問題点になっていると思うんですね。