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石橋 慎二さん
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「汗も流せ、血も流せ」で、燃えて会社改革に貢献
- 石橋
約6年前ですよ。僕、えらく燃えましたね。
- 佐々木
「汗も流せ、血も流せ」って言われると燃えちゃうっていう性格(笑)。
- 石橋
燃えちゃうんですよ。単純で。「よし、一発、会社のために」と。また、真剣に会社の将来に危機感も持っていましたので良いチャンスだと。で、テーマをいくつか決めて、「とにかく、お客様、株主、従業員、ここの視点をぶらさずに、皆が幸せになるような会社にしていこうよ」っていうことで、5年半前にプロジェクトを立ち上げて、1年半〜2年ぐらい、僕、ずっとそれの専属だったんです。
で、そこでかなりいろんな勉強をさせてもらって、自分が思うには、なかなか良いシステムができたんですよ。で、一番反対するだろうなって思った労働組合も、かなり時間をかけて、毎日、何日も何日も説明して。労働組合も何とかオーケー出したんですね。なのに、最終的に、日の目を見なかったんですよ。
- 佐々木
えっ? どうして?
- 石橋
で、「踏み切れない理由を言ってください」って。で、僕達が出したプロポーザルっていうのは、すごくガーンといってたので、いろいろたたかれて、真ん中辺に戻ればいいかなと思って、すこし過激なのを出したんですけれども、「ちょっと、もう、お前のは怖い」って。あの、役員の評価システムまで提案したし、報酬をポジション給にしたんですよ。それは嫌がられますよね。
- 佐々木
素晴らしいじゃないですか。どんなシステムですか。
- 石橋
役員の評価システムは要は、「目標管理制度とか多面評価だとか、結果主義だ、成果主義だって言いながら、経営者はいいんですか? 経営者もそれを示さないと、まずいんじゃないですか?」とか、ペイフォーパフォーマンスじゃないですけれども、貢献度主義で、年次とか、何年入社とか、大卒だ、短大卒だ、高卒だとか、性別とかそういうのは関係なく、その仕事をできて貢献している人には、それなりの処遇をしましょう、と。で、それを、ある程度フィックスレートにしていって。
ホテルって組織はもろにピラミッドで、総支配人からはじまってすごい労働集約型産業じゃないですか。和洋中の調理の方々を筆頭に料飲、宿泊、宴会の各部門、それを支えるセール&マーケや予約、調達、経理、人事等のバック部門など真のプロが必要なんです。にもかかわらず日本の大きな企業同様に、目的が曖昧になりつつあり、またプロが育ちづらい定期異動、それも職種が違う中での異動とかってのも存在して。……当然、同期の人間同士では、ある程度年収も決まっていて、ポジションが決まっているのに、例えば部長ポストは5つしかいない、課長ポストが10しかいなくても、課長の給与をもらう人が30人いたりとか、要は、成り立たないんですよ。
で、「課長心得」みたいな処遇にしていて、「この人が課長だけども、年収は、隣にいる部下がちょっと高い」とか。また、他部署から異動してきて実務は右も左も分からないし会社に対する貢献度はほとんどない人も課長レベルの給与が出る。当然、育てる目的で短期にいろんな部署を経験させるのもありますが、それは選抜された少数であるべきで。それに、力のある若手の抜擢がしづらい、優秀で貢献度も凄く、人を育てる力も高い健康な方でも年齢によって去らざるを得ない等々、わけが分からないのがあるので、「とにかく一回見直して、やりましょう」と。
で、労働組合も条件付きでしたけどオーケー出してくれたし、僕、全国のホテルズを回って説明会をやって、石垣にも、万座にも、博多でも、京都でも、札幌でも、千歳でも、全部行ったんですよ。で、基本的に、皆オーケー出してくれたんですけれども、結果ゴーサインが出ない。
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