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日本国際ボランティアセンター(JVC)南アフリカ現地代表
津山 直子さん
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危ないから銃を持って行く? それが危ないんです
- 佐々木
怖さが膨らむって、わかります。私、87年の取材のときに、「ソウェトの取材に行きたい」って言ったら、白人コーディネーターに、「行かれない」って。まあ、アパルトヘイト最中ですから、よけいにそうだったかもしれませんけども、「絶対に、そこに行かないわけにはいかないです」って言ったらば、「じゃあ、この銃を持っていくっていうことを許可しろ」と言うわけですよ。それで、「それはちょっと、ダメだ」と言ったら、「使わないかもしれないけれど、持つことを許可してくれなければ、僕たちは行かれない」って言われた。
でも行ってみると、違うんですよね。私なんか小さいでしょ、笑顔の彼らにすぐに親しんでの黒人たちとたくさんお友達になって、ソウェトの中のパブとか、どんどん1人で入っていって、みんなに歓迎されて一緒に踊って、取材して帰ってくる。「どこが危ないんだろう?」って、やっぱり、それは思いました。知らないとか、敵対して銃を持っていけばね、それは逆に危ないでしょうって思いました。
- 津山
そう。訪問するにも、「危ないから」って銃を持った警備員が同行したり。でも、佐々木さんもおっしゃったように、やっぱり信頼関係が必要で、もし私が住んでいる所に、「危ないから」って銃を構えた人が来ちゃったら、それだけで自分が拒否しちゃいますよね。
どこが危ないかっていうのは、地元の人たちが一番良く知っているんですよね。誰が悪いかも知っていることもあるし。だから常に地元の人の話を聞くって大事ですね。
……今、おっしゃったように、取材でも白人のコーディネーターの話を聞くか、さっきのサムさんのような人の話を聞くか。やっぱり、現場にいる人たちの声を聞くっていうことが大切じゃないかなと思います。
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