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日本国際ボランティアセンター(JVC)南アフリカ現地代表
津山 直子さん
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不名誉な「名誉白人」だった日本人
- 佐々木
ええ。初めて私が取材に行ったときというのは、アパルトヘイトの南アですから、取材規制もたくさん受けました。ソエトに黒人たちが住み、高級住宅街に白人が暮らしている様子も取材しました。日本人は当時「名誉白人」と言われて、白人居住区に住んでいましたよね。
駐在員の日本人の子どもたちに「南アフリカはどう?」って聞くと、「僕、アメリカに住んでいるときは黒人と学校でも一緒だったけど、南アフリカに来てから、メイド以外の黒人に会っていないよ、何年も住んでるけど」っていう子がいっぱいいて心が痛くなる思いをしました。
- 津山
南アフリカは金とかプラチナとか、そういった鉱物資源が、世界でも一番多く採れる所で、日本は大きな貿易相手国だったんですよね。それで、「名誉白人」という特別な称号を、特別に名誉で(笑)……。
- 佐々木
白人社会にビジネスで一番資金を運んでくれる日本人、ということですね。
- 津山
そう。称えているわけではないんですが、白人としての地位をあげることによって、商売ができるように。たとえば同じホテルで商談ができるとか、同じ地域に住んでもいいとか、事務所を構えていいとされました。アパルトヘイトっていうことを否定すると、名誉白人であることは当然、おかしいことだと思うんですけれども。
そういったことがあって、1988年にANCが日本に事務所を開いたんです。そのとき知人を通して、「働いてみないか?」っていうふうに言われて、働くようになりました。
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