ホーム > 佐々木かをり対談 win-win > 第7回 西岡 郁夫さん

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モバイル・インターネットキャピタル株式会社 代表取締役社長
西岡 郁夫さん
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「新幹線からでもイントラ」の時代へ
- 佐々木
ところで……たとえば、卓上からパソコンが消えて、別の情報機器が取って代わるとか、ということは考えられますか?
- 西岡
僕は思うんですけど、一時ホットスポットが騒がれました。みんながランチの時にマックやスタバのホットスポットにノートパソコンを持って来てネットサーフィンを楽しむと期待をしたのです。実際には全然普及しなかった。では、ホットスポットは不要かというととんでもない、絶対必要になると思うのです。
大きなビルの待ち合わせ場所、新幹線の車内、飛行機の機内、電車のプラットホームなどが非常に高いセキュリティーを持ったホットスポットになると、自分の会社のイントラにアクセスして仕事の続きができます。最新の在庫情報に基づいた交渉が可能になります。
こういう場面、いわゆるユビキタス・コンピューティングの時代ですが、無線ながら高速ブロードバンドのホットスポットが高いセキュリティー付きで街の至る所に実現するとビジネスの効率は飛躍的に向上します。
そういう時代にはMSウィンドウズのパソコンだけが幅を利かすことはなくなるでしょうね。必要な時に必要なアプリケーション・ソフトだけをダウンロードして活用できるShin Client、かつてオラクルのラリー・エリソンが提唱したネットワーク・コンピューター(NC)がやっと普及することになると思います。
- 佐々木
世界的に、どんな外出先でも自分の会社のイントラに入れるとなると、本当に便利ですよね。
- 西岡
そんな時代は絶対に来ます。ただ、問題は、この仕組みをどう普及させるかなんですよ。
なぜかというと……。たとえば、NEC のビルを、インフラを整えてビジネス・ホットスポットにしたとする。で、その結果、NECを訪問した営業マンだとか、他社の人がみんな喜んでいます、ということになる。NECとしては、「何? よその会社の人に使ってもらうために投資しなきゃいけないのか」となる。
最大のメリットを、ホットスポットになった会社より、他社が受けることになるんです。もちろん、他社の営業マンが最新のデータを取れるということは、その人と商談するNECの社員も商談の精度が上がって助かるということなのですが。だから結局、日本全体が助かるんですよ。
- 佐々木
win&winの発想ですね。
- 西岡
そう。win&win で考えないとね、これは普及しないわけですよ。ネットワークのインフラというのは、まったく空気に近い存在にしなきゃいけないと思いますけどね。
- 佐々木
また西岡さん普及活動をやらなきゃだめですね(笑)。
- 西岡
これはね、やろうと思っています。
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