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アシハラヒロコさん
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わかりやすい家を作る
- アシハラ
広告代理店がマンションの広告をどういうふうに作っているかと似たプロセスかもしれないけれども、特にモデルルームを作るときは、60代のご夫婦で、お子さんはいらっしゃるけれども独立してらしてっていうコンセプトを出すんです。それに対しての設計をピチッとするから、私のモデルルームにいらした時に皆さんがおっしゃるのは、「分かりやすい」って。
どこで何をしたい、「あ、ここだったらこうやって寝られるから嬉しいわ」とか、「あなたと子供がご飯食べられるじゃない」。なんか生活が見えて、またここでこう休んで、こうやってお風呂に入る……。
- 佐々木
すごく嬉しいですよね、そういう声を聞いた時。
- アシハラ
すっごく嬉しい。もう、すごく嬉しい。
- 佐々木
なんか、それこそショールームにひそかに立っていて、あの夫婦が「ここで何々できそうね」なんて言ったら、「しめしめ」なんて感じでしょう。
- アシハラ
いや、もう私なんかにっこりしちゃって、販売員の人を乗り越えて、「そうなんです」とかっていう感じ。「私だったら、もっと早く全部売っちゃうかな」みたいな世界なほど(笑)。そうたやすくはないでしょうが。でもね、やっぱりそれはもう、とことん作りこんでいるから。
例えば収納とかも、掃除機を1回持ち上げて入らなきゃならないんじゃ、たまらないじゃないですか。ころがしたまま入るようにしたりね。それはやっぱり、女性の視点じゃないですか。
- 佐々木
そうよね。やったことがない人には分からない。
- アシハラ
分からない。で、ここに納戸があれば、リビングにお客さんが来た時にバンと物を入れて片付けられるよね、とか。こういうオープンキッチンにするんだったら、バックヤードがなかったら辛いよね、とかっていうような話から始まって、丁寧に、丁寧に、「玄関とトイレが家の顔だ」と昔からおばあちゃんが言ってたことをちゃんとやっぱり大事にしている日本人に訴えかけるような設計。
12/24
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