ホーム > 佐々木かをり対談 win-win > 第66回 板倉 啓子さん

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薬膳研究家 板倉料理学院院長 メンター・フーズ(有)代表取締役
板倉 啓子さん
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中国では毎日の食事が、薬膳
- 板倉
世界一の生薬市場は、四川省の省都・成都の下町にあるんですね。店舗数は2,000以上あるとにかく広い生薬市場なんです。500年続いているのかな、荷花池(カカチ)市場というんです。
霊芝茸(れいし)の売り場だけでも、3テントくらい。見渡す限り、生薬市場。
はじめは四川大学の先生が一緒に買い物について行ってくださり、習いたての生薬の冬虫夏草や鹿耳(ろくじょう)、茯苓(ぶくりょう)、ゴウカイ(ヤモリの乾燥)などを買いまくりましたね。
- 佐々木
中国では薬膳が普通に食べられているんですね?
- 板倉
そうです。「薬膳はどういうものを作っていますか」という質問を四川だけでなく北京や上海、広州でしましたら、皆さん笑って答えてくれないんですよ。それもそのはずで薬膳という言葉は日本で作られた造語なんですね。
マーケットへ行っても肉や野菜の横に生薬が売られていますから。普段食べているものが薬膳なのですよ。おばあちゃんからおかあさんへ引き継がれる郷土料理みたいなものですね。はじめは皇帝の食事から始まりましたが、長い年月を経て庶民へ滋養強壮食として伝わったわけです。
- 佐々木
よく「おばあちゃんの知恵」などと日本でも言いますが、食べ合わせなど、みな生活の中でも学ばれることもあったでしょうね。
- 板倉
このおいしい素晴らしい料理を日本へ根付かせるにはどうしたらよいか考えました。そうだスープにクコの実が入っているなら味噌汁に入れてもいいのではないかと。
日本の家庭料理自体がカレーライスやハンバーグに肉じゃがと無国籍料理なわけですから、薬膳懐石や洋風薬膳があってもよいのではと考えたのです。それからは家族が実験台で試行錯誤研究しました。今、日本型薬膳として根付きはじめましたのはとてもうれしいですね。
- 佐々木
薬膳がおいしかったからというのはいいですね。
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