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関根千佳さん
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おじいちゃん、おばあちゃんにも使いやすいサイト
- 関根
それに、ウェブサイトをお使いの方々の年齢層が徐々にあがってきているので、白内障の方に見やすい色使いをするとか、そういったこともすごく大事なんですよ。
クリックしなくてはならないボタンがきちんとわかるようにデザインされているかとか、そういった点でいろいろな配慮事項っていうのがあります。
- 佐々木
特に障害ということでなくても、年齢の高い方にわかりやすい作り方、というのもありますよね。でも、そういう見直しを関根さんなどにご依頼になる企業が増えるっていうことは、意識改革の第一歩としてはいいことですよね。
- 関根
ええ。「ちょっと今、うちのサイトを作り変えているんだけど、アクセシビリティの観点から大丈夫かどうか見てもらえますか」っていうような、そういうご依頼が結構来るんです。
- 佐々木
ボタンの見やすさとか字の大きさとか。あとは大きくいうと、どんな点があるんでしょう?
- 関根
そうですね。字が大きいとかテキストだけのサイトを作りたいわけではなく、かっこよくて使いやすいサイトでないと、ユニバーサルデザインとは呼べません。
それに加えて、見た目だけでなく、ユーザーを理解することが基本です。これも今、総務省の方でガイドラインを作ったりしているんですけれども、私がいま一番熱心に言っているのは、ウェブサイトを作る際のPDCA(プラン、ドゥー、チェック、アクション)にアクセシビリティを位置づけることです。
そのサイクルの中で、「プランの段階からユニバーサルデザインの考え方で、いろんな人が使うっていうことを考えてデザインをしてください」。で、チェックのところでは、「必ずユーザーさんの中に、ご高齢の方や、できたら障害を持つ方に見ていただいて問題がないか、チェックしてください」って言っています。
つまりユーザーをインボルブするっていうところですね。もちろん、今おっしゃったように、コーディングをする上では、ALT属性をつけるとか、テーブルタグを表示のためだけに使わないとか、いくつかクリアしなくてはならない配慮点はあります。
でもそれは、言ってみればテクニックであって、本当に大事な部分は、このウェブサイトを見ている人の中にはいろんな人がいるんだよ、って知ることなんです。多様なお客様がいらっしゃるんだ、っていうことを理解してもらうのが先なんですよね。
雛人形やランドセルのサイトでさえ、アクセシビリティは必要です。なぜなら、お金を払うのはおじいちゃんやおばあちゃんだから。彼らにちゃんと情報が伝わらなかったら、百貨店に行っても、もしかしたらその種類を選んでもらえないかもしれない。今はそういう時代ですからね。
- 佐々木
アクセシビリティ、つまりアクセスしてもらえる能力を確保することの基本が、ユニバーサルデザインの考え方ということですね。
- 関根
ええ、特にこれから10年くらいは、団塊の世代でITを使える人たちが大量に家庭に入りますので、よけいにアクセシビリティっていうのが大事になってきますね。機器もそうだし、ウェブもそうですね。
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