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特定非営利活動法人スペシャルオリンピックス日本 理事長
細川佳代子さん
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可能性に挑戦する勇気
- 佐々木
そうだったんですか。個人で!
- 細川
私に賛同して下さる友人を10人集めて制作委員会を作り資金集めをしました。そしてすばらしい映画ができて、全国の上映会でものすごい反響があって、そしてスペシャルオリンピックスにも寄付が集まったの。映画の制作費は予定より、集まって。悪いこと何一つなかったの。
そんなふうに日本では、自分の可能性を制限してしまって、それ以上のことに挑戦する勇気がない人がとっても多い。
- 佐々木
まさに、このスペシャルオリンピックスから学ばなければならない原点なんですよね。
- 細川
そう。このスペシャルオリンピックスの精神というのは、選手宣誓にありますように、「私に勝たせてください。もし勝てなくても、頑張る勇気を与えてください」。つまりそれぞれの選手の、その目標または自分の可能性に向かって勇気を持って挑戦して、途中であきらめずにゴールまで、とにかくベストを尽くすということ。
その可能性への挑戦、勇気を持って挑戦するということを大切にしている。それをした選手はみんな勝利者だって、みんなでたたえているのに、やっている自分たちが、全然可能性に挑戦していないわけね。
映画に反対されたときのみなさんの反対意見は正論なの。すごく良識的な意見なの。でも、夢がない。
- 佐々木
ある意味、プロセスの中で一度はクリアしなければならない課題が提出されたということですものね。でもその課題を乗り越えるというビジョンが見えてないから、挑戦さえ考えられない。
- 細川
そういうこと。確かにね、誰があと責任を取るの、とか、お金が集まらないときはどうするの、とか、スポーツとは関係ない、余計なことに手を出すべきでないとか、われわれはまだ弱小のこんな団体なのに、そんな映画作りなんて余計なことをやったら、本来の活動がおろそかになるとか、それは本当に正しい意見よ。どれもこれも。
でも、あまりにも夢がない。そして私は、常に夢というか理想をかかげて、それに向かってみんながそれこそ可能性に挑戦し、がんばって、みんなが今までできないと思ったことも、思い切ってやる。そしてそういう力が重なって、大きなことができるという体験を、みんなにしてもらいたい。ただそれだけなのよね。世界大会も同じなの。まったく同じ。
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