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特定非営利活動法人スペシャルオリンピックス日本 理事長
細川佳代子さん
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ケネディ家もうひとつの夢
- 細川
それで、小栗さんが見えて、スペシャルオリンピックスなんてもちろん何もご存じなかったので、3時間か4時間、ずっとその話をしました。ちょうどその時98年に、夏季のナショナルゲーム(全国大会)を東海大学のキャンパスをお借りして開催するところでした。だから、カメラ回してちょうだい、って言って。初めてNHKのカメラが私たちのナショナルゲーム(全国大会)を映してくれました。
その中から45人が世界大会の選手団に選ばれて、そのうちの5人のアスリート(選手)のあとをずっと追いかけてドキュメンタリーが始まりました。学校の様子、職場の様子、家庭での様子、練習風景、そして、コネチカットであった夏季世界大会で、表彰台でメダルをかけてもらっている、っていうところで終わる。『自立へのオリンピック』っていう、BSで放映されたの。
- 佐々木
そうだったのですか。
- 細川
それで、副題が『ケネディ家もうひとつの夢』、だったんですね。すばらしい、さすがNHK。ケネディ家の昔の映像が全部出てきて。ケネディ大統領の暗殺のところから、ケネディ大統領のお母さまの映像まで出てきて、なぜ知的障害のある娘を隠してたかというような質問に、どこかに行ってしまって迷子になるか分からないから、とかなんとか、一生懸命答えている映像も入っていてね。
そもそも、スペシャルオリンピックスはケネディ家から始まったっていう、歴史も中に入れて。すばらしい番組だったのよ。それなのに見ている人がほとんどいなかったわけ。ほとんどいない。
- 佐々木
残念ながら、私も見ていません。
- 細川
でしょう? もう私がっかりして。そして小栗さんに、私この番組のビデオを、日本中で上映会をして、そしてみなさんに、この番組を見てもらいながらスペシャルオリンピックスの活動を広めるわ、って言ったら、それはNHKに著作権があるから、そんな簡単に上映会なんかしちゃだめだ、って怒られて。
それで、小栗さんに「そんなにしたかったら、本物の映画を作ったらどうか」って言われて、そうか、それだ、って。即決めちゃったわけよ。
- 佐々木
それは嬉しい話。興奮しますね。
- 細川
でも、わくわくしながら、役員のみなさんに映画作りの話をしたら全員反対意見。「冗談じゃない」「映画作りなんて」って。スペシャルオリンピックスはスポーツの団体だから、そんな余計なことをするべきでないとか、やれお金集めが大変だとか、変な映画ができちゃったらどうするんだとか、途中でお金が集まらなくて挫折したら誰が責任を取るとか、いろんな意見がでて来て。
私、なんて夢のない人たちと一緒に仕事してるんだろうと思って頭にきてね、分かった、もうスペシャルオリンピックス日本とは別の組織で私が作る、って宣言したんです。だから個人で立ち上がって、小栗さんとがんばったの。
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