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株式会社アドバンテッジ パートナーズ 共同代表パートナー
リチャード・エル・フォルソムさん
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ダイエーに求められるリーダーシップ
- 佐々木
マネジメントバイアウトというと、結局は、誰をその組織の経営陣に据えるのかっていうのが、すごく大きいということですよね。
- フォルソム
大きいですね。
- 佐々木
そこも人脈なのか、勘なのか……。
- フォルソム
まずはじめに、その会社が抱えている戦略的な課題、経営的な課題は何なのか、を見極めるということが大切です。現在の経営チーム、あるいは経営支援でうまくカバーできているもの、カバーできてないもの。じゃあ外部から補強しないといけない、つまり優先度の高い課題、それに必要な能力、スキルは何なのか、っていうことを見ていって、なるべくそういう人を選ぶんです。
でも人を選ぶのって難しいんですね。こうだと思っていても、必ずしもうまくいくもんじゃないんです。ダイエーの場合は明らかにいろんなテーマがありますが、スポンサー、機構、経営陣で役割分担できるものもあって、もちろんバランスシートのリストラクチャリングと、非継続事業と非継続資産の売却等も重要な部分なんですけれども、完全に経営陣ではなく、機構を中心に我々がサポートする形で全部別に処理しましょうと動いています。
会長、社長以下は本業に、特に食品スーパーを中心としたこの小売のビジネスに集中する。その中でまた必要なテーマがいくつかあって、例えば従業員のモチベーション、モラル、現場を本当に盛り立てる必要があると。
- 佐々木
それには、林さんは適任ですね。
- フォルソム
10年以上もダメ企業として叩かれてきたんですよね。先日の社員総会で誰かが言ってました。海外に行くと、日本の会社では日産の次ぐらいにみんなが知ってるのは、ダイエーなんですね。ただ、ダイエーを何で知ってるかというと、ダメ会社として知られていると。それだけ叩かれてきたということで、たぶん社員も、非常に士気もモラルもダメージを受けている。
今回はラストチャンスなんですよね。再生へのチャンスなんです。みなさん非常に優秀で、何が何でもやりたいっていう気持ちもある一方、いろんな不安もある。だからまず、本当のリーダーシップを発揮できて、上から下まで現場からモーティベートできて、引っ張っていけるような人が必要だなと。
林さん、すごくそういうところあるんですよね。まず、彼女とミーティングするたびに、終わったときになんか「よーし、いこう」っていうすごい盛り上がりになるんです。
- 佐々木
そうですよね。私なんか会うたびに感動してウルウルと涙は出るし(笑)。
- フォルソム
相手が女性じゃないといけないって探したわけじゃないけど、彼女に会ってみて、まずそういう才能を見ていって、それでダイエーの状況を見てみると、やっぱり女性が合ってるんだなと確信した。
ダイエーの社員の7割がたは女性で、パートまで含めると大部分が女性で、お客さんも大半が女性なわけですね。ですから、彼女は適任だと思います。必要な課題とスキルと環境が非常に合ってると思いますね。
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