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江端貴子さん
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休職での留学でしたが
- 江端
休職です。
- 佐々木
研究テーマは?
- 江端
『日米のシステムの比較』でした。米国はシステム関係、つまりIT先進国でしたから、ITをいかに経営などに利用するかということをテーマに学んでいきたいと思っていました。
- 佐々木
2年後に富士通に復職された…。
- 江端
しなかったんです(笑)。いくつか理由があるのですが、ひとつは最近話題の年金の問題です。2年間、無給での休職でしたが、年金などは当然のように支払うことになっていたのです。私は本当に貧窮状態だったので、月々5万円ほどの額でしたが、できればそれも支払わないでおきたかったのです。
それで富士通に「前借り、もしくは後払いはできないだろうか?」と交渉したのですが、「前例がないのでダメ」と拒否されてしまいました。
「休職を認めているだけでも、会社としては特別待遇なんですよ」、つまり「休職は病気などのためにあるもので、会社はあくまでも自己都合による休職は認めていない。まして、2年間も休職を認めてもらったうえに…」ということなんです。
- 佐々木
江端さんからすると、無給だから、年金を貯金から払い続けるのは、つらい、ということですよね。
- 江端
その出費はあくまでも私の個人負担になるということで、母が毎月振り込みに行っていたという状況だったことがひとつ。 またもうひとつは、入社の段階からお世話になっていた女性のマネージャーの方に、企業派遣としての留学の可能性を相談していたのですが、最終的にMITに留学が決まったことを電話で報告すると、その方から「まあ、本気だったのですね」とひと言、言われてしまったのです。これが私の胸の中ではわだかまりになっていたんです。
そんなことから、復職した後の自分の仕事について不安を抱いて留学していた時に、突然「年金負担が上がります」という会社からの知らせが届いたのです。休職中なのですが、私は6月20日まで会社で働いていましたから、4月からの昇給を含んだ4〜6月の給与が年金負担のベースになってしまったのですね。
その「年金負担額が上がります」という通知を見た途端、富士通に戻って経営の知識を活かしたシステム開発をするんだという思いがストンと落ちてしまいましたね。それで「もう辞めます」ということになり、再就職口を探すことになったのです。
10/22
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