ホーム > 佐々木かをり対談 win-win > 第41回 片平秀貴さん

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丸の内ブランドフォーラム代表・東京大学ものづくり経営研究センター特任教授
片平秀貴さん
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アルマーニ ブランドの秘密
- 佐々木
その取材の一部を教えていただけるところがあればと思うんですが。印象に残った社長とか。
- 片平
そうですねえ。みんな印象に残っているんだけれど。アルマーニが、「俺のビジネスを番頭として見てくれよな」と言ったアルマーニの幼馴染、ブルゾーネさんという人。その方にインタビューして始めて、本題に入ったときに、初めて実質的なことを言ったのが「We sell a dream」。
ね? そういう話がバッと出てくるんです。「ドリームを売っているんだから、何をやってもいいわけじゃないんだよ」って。だからここの市場はまだ早いな。こんなところにいったら、売れば売れるんだけれど、でも本当には分かってもらえないな。分かっている人が育っていないというところは、残念ながら出ないんだと。
ここでこういうふうに売ったら3倍になる、だけどそういうことはしない。売り上げを増やすためだけの戦略は一切とらない。今、我々を愛してくれるお客さまがすごく大事だから。
で、極めて正しくちゃんと理解してくれるお客さまを着実に増やすのが我々の仕事だからという話でした。「We sella dream」って、言ったの。これは、驚いたね。もちろんそうなんだけれど、それを目の前でさ、一番最初のところで言うっていうのはすごいね。
- 佐々木
今の、すごく奥深いコメントだと思います。というのは、おっしゃる通り、どの企業もわたしたちは夢を売っているとか、いくらでも言えるし、言っている人がいる。
- 片平
そうそう。
- 佐々木
でも、片平先生が「本質に入ったら一言目」にとおっしゃいましたが、それはアルマーニでは、「ドリーム」こそが本質なのかっていう驚きですよね。
- 片平
そうそう、それがね、リップサービスじゃないんだよ。いかに我々はドリームを売っているかという話がずっと続くわけ。なるほどー、って。もう一つ面白いことがあって……。
- 佐々木
どんなことがあるんです?
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