ホーム > 佐々木かをり対談 win-win > 第40回 枝廣淳子さん

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同時通訳者・環境ジャーナリスト・セルフマネジメントコーチ
枝廣淳子さん
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環境におけるアメリカ問題
- 佐々木
以前、わたしはCBS『60ミニッツ』の東京のアンカーをやっていたのですが、先日ロサンジェルスで行われた会議でね、その番組のCBSキャスターである、あこがれのレスリー・ストールという女性リポーターにお会いしたんです。彼女が「日本に行きたいの。何かいい取材テーマないかしら」と聞かれたので、日本のエコを取材したら?と提案したんですよ。日本ではみんなゴミを分けるんだ、と。アメリカ人は食事は大盛りで、残すのが美徳としているし、ゴミの分別の地域もひとつもない。ハワイですらゴミは全部まとめて土に埋めてるし。
わたしはね、アメリカという国がもう少し環境問題に関心を持つようになったら、地球がずいぶん良くなるんじゃないかと常々思っています。お話を伺っていて思うのは、環境活動を日本に普及するだけじゃなくって、枝廣さんのような方が、日本代表としてアメリカでの講演活動をたくさんしていただいたら、ずいぶん良くなるんじゃないかと(笑)。
- 枝廣
そうですね(笑)。
温暖化にしても、二酸化炭素の4分の1がアメリカから出ているんですね。だから、いくら日本でお金かけてみんなで頑張っても、アメリカが何もやらなかったら一緒に引きずりこまれちゃうんですね。アメリカさんだけ勝手にやってちょうだいというわけにはいかない。それならいいんですけど(笑)。先月初めにハンガリーでの国際的な合宿に行ってきたんですけど、アメリカをどうするかっていうのが大きな課題で、ヨーロッパの人もアジアの人も、アメリカの参加者もよくわかっているんです。
- 佐々木
でも、一部でしょ? 7月にアスペンで開かれたフォーチュン誌主催のトップ経営者会議で「京都議定書は地球に何の影響もない」という主張の人が多かった。
- 枝廣
アメリカって面白い国で、あれだけ多国籍国家で人種の坩堝でありながら、とても井の中の蛙ですよね。ほかの国のことを知らないし、アメリカ人の中でパスポートを持ってる人は4%で、そのうち海外に行ったことのある人は、
- 佐々木
少ないんですよね。たぶん、州を越えたことのある人もあまりいないかも。
- 枝廣
日本だと、農村など都心から離れて住んでる人でも、あちこち旅行に行ってますからね。
アメリカは連邦政府のレベルはぜんぜん駄目なんです、ブッシュがいるかぎり。その下のレベルで、州レベルとか自治体レベルでは、いくつか先進的な取り組みが始まっているんですよ。この間、アメリカの大学生と日本の大学生と討論会を主催したんですけどね。そういうレベルではかなり意識は高いんですね。でもやっぱり、経済との両立というところで非常に悩んでいる。
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