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石井苗子さん
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女優業を辞めるつもりで臨んだ
- 佐々木
だけどやっぱり露出度がものさしの世界で、休業するのは大きな決断ですよね。
- 石井
「芸能界は3日出ないと、3年忘れられる」っていわれる世界。「消えちゃったね」で終わり。中にはプロダクションに借りがあって辞められない芸能人もいるし、心おきなくやめられる人ってそうそういないよね。わたしだってそうだった。
でも、不安を打ち消すには、露出しなくなった自分がどう忘れられていくか、その過程を確かめるしかないと決心した。もう全然出ない! それでみんな忘れるでしょうと。そしたら平気で街を歩けるだろうとか思ってた。でもいろいろ言われたりするのよね。「このごろまったく出ないじゃないですか」なんてね。踏ん切りつくと思ってたら、かえって逆に悔しくなっちゃった。変に声かけられたりすると悔しくてたまらない。決してわたしに才能があるからじゃなくて、たぶんひとつのカラーシンボルみたいな存在だったんじゃないかな。
- 佐々木
すっかり忘れる、ってことはないですよね。
- 石井
でも、顔が売れてたのは10年以上前。プロダクションからはね、聖路加大学を卒業したらプロフィールに肩書き付けてまた稼ごう、と言われて。はい、はい、なんて言いながら大学院受験しちゃったでしょ。社長が「なんでいつも言ってくれないんですか」って言うから「いつも受かると思ってないから」って答えたら、社長いすから転げ落ちちゃった。
大学の先生方からも、メディアに帰ってほしいって言われるの。正直これが一番つらいな。難しいことをおもしろおかしく話せる人になってほしいとかね。そう言われても、業界としてそういうキャラがわたしにあると、向こうから思われなきゃ実現しないよね。
9/22
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