ホーム > 佐々木かをり対談 win-win > 第37回 石井苗子さん

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石井苗子さん
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女性が嫌だ嫌だって生きてきた
- 佐々木
でも、お父さんはすごく考え抜いて、学校を見つけてきたんですよね? ホストファミリーに教戒師。偶然じゃないですよねえ。
- 石井
わたしは女が嫌だ嫌だと言って生きてきた子どもだったの。女に生まれて嫌だって。いまで言う性同一性障害。そうそう、それを調べたくて勉強もした(笑)。ま、当たらずとも遠からずみたいな感じだったんだけどね。DNA的には問題ないくらいで、ほとんど男性なんじゃないかと。このごろは突っ張るのをやめて、随分楽になった。「わたし、体だけは女ですから」って言ってます。
わたしね、中学校3年生で65キロあったの。体格よくて黒ぶちメガネで。男の子から全然好かれなかった。性転換手術する!って父親に言ったら、「おまえ、逆はあるけどそれはないんだ」って言われた。父もそれで悩んで、わたしも高校行ってもずっと悩んでたんじゃないかな。で、牧師を探してきた。
父は拒食症になるくらい悩んだらしい。教育を間違ったのかって。まったく普通の家だったんだけど。牧師さんのところに行かせたたら、救ってくれるじゃないかって考えたんじゃないのかな。
- 佐々木
お父さんは一生懸命、調べたんだ。考えて、牧師さんいるところに。
- 石井
父に「女は何のために勉強するの?」って言っては困らしてた。走って速いと男に嫌われ、泳ぐと速いと男に嫌われ、体が大きいと男に嫌われ、お父さん、みーんなわたしの周りからいなくなるんですけどって。でもね、アメリカで州立大学に行くって言ったら、今度は帰って来いってうるさくて。
- 佐々木
結局、行ったんですよね?
- 石井
そう。でもすぐに、父が「上智大学の編入を申し込んだから帰って来い。牧師さんにも手紙を書いたから」って。外国の人と結婚されたらたまらないって思ったのか。もう、なーにを言ってるんだか!
だからワシントン州立大学卒業って書けないのよ、わたし。上智大学編入だもん。上智はその刑務所の牧師が推薦状を書いてくれて。ボランティア活動してたって、ベタ褒め。だから「Great!」なんて言われて編入。ね、全然勉強してないでしょ。もう、とっとと卒業して華のOLをやりたくてしかたなかった。
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