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久保京子さん
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選ばれるモデル、選ぶ消費者
- 久保
そうですね。でもモデルとしての葛藤(かっとう)もあったんですよ。あこがれのデザイナーの洋服が着られて、ものすごく幅が広がった。でも一方で、そのデザイナーのショーをやりたいってオーディションに行くと、落とされる。
あこがれを持った人に嫌われるわけじゃないですか(笑)。みむいてもくれない、と思うとその人の服が嫌いになっちゃう(笑)。
でも、あるとき気づいたんです。モデルっていう枠を外れれば、一個人として、消費者として、その人とその人がデザインした服を選ぶ権利があるって。そう思ったところで、逆に楽になった。
いつも選ばれる側だったのが、自分は選ぶ側でもある、って。それがわかったのが24、25歳くらいのとき。「あ、違う。わたしは選ばれるだけの人間ではなくて、選ぶ側の人間でもあるんだ。だからいくらあこがれたデザイナーだったとしても、わたしは『その服は卒業』って言えるんだ」って。
- 佐々木
仕事としては選ばれなかったかもしれないけど、消費者としてはパワーがあるよって。
- 久保
(笑)そう。選べるっていう楽しさ、選んでやるわっていう楽しさがわかってくる。でもそれまでは、ただただ選ばれたい、選ばれたいって思ってたのね。どんどん世界が広がって自分の手の届かないところばっかり。
10/17
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