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藤巻幸夫さん
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名刺、持たせてくれなかったのがプラスになった
- 藤巻
そう。当時の伊勢丹では、バイヤーになるまで名刺は持たせてくれませんでしたね。でも、かえってそれがよかった。マイナスが、僕には全部プラスだったんですよ。金がない時ほどおもしろいことができると思っているんだけど、実際、そういう状況の中で、いきなり人脈をつくっていけたんですよ。
まず、へりくだるだけじゃ駄目だとわかった。
「おれは何をやりたい」「おれはこんな売り場をつくりたい」という夢があれば、相手が乗ってくる。最初は取り引きがなくても、「伊勢丹の藤巻っておもしろいぞ」と言ってもらうために、とにかく毎晩どこかに顔を出していた。そうやって仲間をつくっていって、僕はファッションやりながら、インテリア業界、レストラン業界、グラフィックとか各種多様なデザインをする人たちに出会ってたんです。
その時に個人の名刺を持って行って売り込んでいました。狙ってやったわけではないけれど、伊勢丹にもかかわらず手書きの変な名刺だからって印象づけられるし、大きいことをしゃべるから、うわさになって。それで29歳の時にバーニーズに出向したわけですよ。
- 佐々木
たしかに個性的な名刺と藤巻さんの存在はインパクトあったんでしょうね。
- 藤巻
日本をベースに、ニューヨーク、パリ、ミラノ、ロンドンを回りながら買い付けしたり、物をつくる仕事を3年半くらいやったわけです。向こうに行っても、いつも名刺を出すわけではないけど、とにかく楽しい。イタリアに行けばマンジャーレ、アモーレ、カンターレだし(笑)。
4/21
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