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米倉 誠一郎さん
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宝くじとシリコンバレーの関係は
- 佐々木
イノベーションが増えないと経済も活性化しないし、雇用も増えない。でも、イノベーションはなかなかその経済的な価値を創造するのに時間がかかる。イノベーションの評価、受け入れっていうのは日本では変わってきていますか?
- 米倉
それはすごく大切なポイントで、大体、時代より一歩進んでいると失敗するんですよ。周りの認知が追いつかなくって。それに周辺技術が足りないから。僕、岩波新書から『経営革命の構造』って本を書いたんですけど、ほとんど不遇ですね。初期のイギリスの人たちは、叩かれたり、殺されたりして、不遇のうちに破産しちゃう。残念ながら、あまり先駆的なイノベーターってうまくいかないんですよね。
でも、シリコンバレーだけは仕組みをつくったわけ。シリコンバレーの大事な仕組みは、まず、新しいことは数を打たないとうまくいかないと知ったこと。佐々木さん、宝くじ買ったことありますか?
- 佐々木
時々一枚だけ(笑)。
- 米倉
3億円当たりましたか?
- 佐々木
ないですね(笑)。
- 米倉
こういうとみんな笑うんだけど、当たったこともないし、周りで当たった人を見たこともない。でもみんな買うじゃないですか。なんで買うのかなって考えると……。
あれ1本300円ですよね。もし、それが1本300万円だったら買いますか?
- 佐々木
買いませんねえ。
- 米倉
たぶん買わないですよね。じゃあ、今と同じように1本300円のままで、当たる確率も同じで、1等賞金が5万円だったら買います?
- 佐々木
買わないな。
- 米倉
買いませんよね。ということは、なぜ宝くじに、こんなに多くの人がトライするかというと、エントリーリスクを低くして、リターンを大きくしてやると、人はチャレンジするんですよ。その仕組みをシリコンバレーの場合は考えてる。
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