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米倉 誠一郎さん
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イノベーションが雇用をつくる
- 米倉
大科学者もいいけど、身近なアントレプレナーもいいんですね。トヨタ自動車とキャノンって、成績がものすごくいいんですよ。しかしこの10年間で本社単体の雇用は増えたどころか減ってるんですよね。だから強い。ところが、雇用を増やしたのは、セブン-イレブンやクロネコ(ヤマト運輸)などの生活に欠かせないイノベーションなんです。
こういうことが実は大事で、燃料電池車とかデジタルカメラとか、これもすごい重要なイノベーションですけれど、やっぱりそこだけがイノベーションだと思われると雇用は生まれないし、豊かにならないんですよ、生活が。だけど今、宅配便のない生活なんて考えられないでしょ。
- 佐々木
本当ですよね。
- 米倉
クロネコとかはたくさんの車で公害をまき散らしてるじゃないか、という説もあるけど、それも燃料電池になれば解決される。だけど豊かになって大事なことは雇用をつくってるということなんですよ。
サービス業しか雇用をつくれないんです。そうすると内需をいかに豊かにするか、そういうイノベーションが大事なんです。
たとえば森ビルだってね、六本木ヒルズ1本できただけで、新たに8,000人ぐらいの雇用をつくれるんですよ。工場で8,000人っていったら大変でしょう。だからみんな中国に行っちゃうわけです。だけど、その場所でしか消費できないサービス産業とか、生活を豊かにするっていうものはやっぱり国の中につくるもの。
でも日本では、そういうイノベーターは評価されないんですよね。
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