ホーム > 佐々木かをり対談 win-win > 第21回 渡辺邦昭さん

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渡辺邦昭さん
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社長に選ばれた、僕の特長
- 佐々木
社長になりたいと思ったことから始まったのかもしれませんが、キャリアを自分で組み立てることについてのお話を伺いたいのです。渡辺さんはIBMの後、ほとんどが「社長」というポジションですね。
- 渡辺
39歳で、GEと伊藤忠の合弁会社のGEインダストリーの社長になりました。その後、95年に日本DECの社長、98年にi2テクノロジーズ・ジャパン、2000年に日本アリバの社長ですよね。
僕がDECの社長になったのが40代半ば。従業員3,000人で1300億ぐらいの規模の会社になったわけです。
- 佐々木
起業ではないですから、社長職として入社試験があるわけですよね。社長として選ばれるポイントは何でしょうか。
- 渡辺
社長候補として呼んでいただいた時、ほかには55、56歳で、この業界で超有名な人が候補者として何人も挙がっていたんです。決定後、アメリカ本社になぜ僕が?と選ばれた理由を聞くと、「日本市場で何がしたいのかが非常に具体的だった」と。そして、一番の理由は、アーティキュレーション(=articulation)だった、と。
- 佐々木
アーティキュレーション。ニュアンスまで捕らえ、表現力豊かに、明確に、論理的に、はっきりと話し伝える能力ということですね。僭越ですが、わたしも20代のころからよくアメリカ人にアーティキュレーションが優れていると、誉めてもらったのを今思い出しました(笑)。
- 渡辺
まったくそうです。異文化の中で仕事しなければいけないんで、アーティキュレートしないと誰も理解してくれない。英語の面でアドバンテージがあったのはそこですね。
- 佐々木
英語はどのように身に付けられたんですか?
- 渡辺
英語の勉強のポイントは2つです。一つは日本語力。自分の頭で考えて、自分の言葉で表現するということですよね。もう一つは論理力です。この2つがないと英語ってうまくならないと思うんです。外国語だから。
- 佐々木
たしかに。それに加えて、言いたいことがある人(笑)。英語の先生がよく言ってたんですが、ニュースについて、“What do you think about this?”と聞くと答えない学生が多い。
でも気付いたら日本語で質問しても答えられないから英語の問題じゃない、と(笑)。意見がなくちゃ話せないでしょう。渡辺さんも、話したいことがいっぱいあるタイプですよね?
- 渡辺
そうね。それに僕のプリゼンは、自分で言うのは照れてしまうのですが(笑)、とてもうまいんですよ。うまいというのは、プリゼンの内容が正確に伝えられるということと、相手を説得できるということなのです。それは、アメリカ人が使う決め台詞とアナロジーがあり、それを身に付けているということなのですよね。
- 佐々木
そうですよね、たしかに。
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