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渡辺邦昭さん
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ものすごく売れる 営業ポイントを発見
- 渡辺
仕切りの向こうの仕事は、納品数と納品書の確認なわけですよ。普通はそこで何をするかというと、納められてきたものが納品書と数が同じかどうか、破損してないかどうかと点検する「検収」を行う。これらが終わると自社の在庫にして買掛金を計上します。
わかったのは、注文は80個にしているんですけど、納品されてきたのは100個だということです。卸売り会社は、管理レベルの低い小売店に対して、納品する商品を余分に持っていくんです。それで、受け入れてもらったら「しめた」というようなものです。
- 佐々木
そうなんですか!? 受け入れ態勢がしっかりしていないと、勝手に多めに納品するんですか。
- 渡辺
そう。しかも納品書と品物数は合っているので、その確認だとわからない。めがねの小売店の場合は買い取り制ですから、これがデッドストックになってしまうわけです。そうするとどこかでデッドストックをはかなきゃいけなくなるということでバーゲンをする。
そんなフローが日常的に起きているわけですが、粗利が高いものだから、気付きにくいんです。でも伝票を書いている人にはわかるんですね。
ここでひらめいた。当時競合のコンピュータ会社は、納品書からの管理を提案していた。納品書を入力し、物の管理とお金の管理をするような提案書を書いていたわけです。でも一週間仕入れ伝票を書いていた僕は、その会社の問題点の本質を提案できた。
「そんなことじゃ駄目です。コンピュータの仕組みを使って、発注から押さえて、納品、買い掛け、在庫管理にしなくては駄目なんですよ」と。「IBM のデータベースのソフトを使うと、あらゆる角度から管理状況が見えます。それを実現しようとすると、IBM独特のテクノロジーが必要なんですよ」というのを提案書にまとめるわけですね。
そうすると、他社が値引きしても「何を言ってるんですか。コンピュータの値段が100万、200万安いからということではないでしょう。御社はもっと大きな損をしているんですよ」という話ができます。それができるようになってから、ものすごく売れるようになった。それと同時に経営に対して、ものすごく興味が出てきたんです。20代後半のことですね。
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